私の実家は新幹線で2時間ほどの距離にあり、気軽に頼れる環境ではありません。一方、義実家は電車で数十分の距離。距離の近さもあってか、産後まもなく義母は頻繁にわが家を訪ねてくるようになりました。
初孫にテンションMAXの義母
「初孫はかわいくてたまらないわ~♡」「毎日会いたい!」
そう言ってくれる義母の気持ちはありがたく、娘への愛情が本物であることも分かっていました。
義父を数年前に亡くし、義母は長く一人暮らしをしています。そんな背景もあり、初孫の誕生が大きな喜びであることは、想像に難くありません。
けれど、毎週末どころか、いつの間にか平日も含めて、ほぼ毎日のように玄関のインターホンが鳴る生活が続くと、少しずつ心が疲れていきました。
義母は私の育児に対して「昔はね、こうやって育てたものよ」と細かく口を出します。悪気がないと分かっているからこそ、言い返せず、その言葉は静かに積み重なっていきました。
義母の味方しかしない夫
ある日、思い切って今の気持ちを夫に打ち明けました。けれど、返ってきたのは「母さんが手伝ってくれて助かってるだろ?」という予想外の言葉でした。
その瞬間、胸の奥がきゅっと締めつけられるような感覚に襲われました。私がどれだけ気を張り、どれだけ疲れているのかが、まるで伝わっていないように感じたのです。
義母も夫も、決して悪意があるわけではありません。それでも、「私さえ我慢すれば丸く収まる」という空気の中で、限界が少しずつ近づいているのを感じていました。
突然の報告「隣に引っ越してきたの」
そんなある日、義母がいつも以上に明るい表情で、こんな報告をしてきました。
「実はね、隣のマンションに引っ越してきたの!」
一瞬、その意味が理解できず、頭の中が真っ白になりました。義母はもともと賃貸アパートで一人暮らしをしており、ちょうど契約更新の時期だったそうです。そんな折、私たちの住むマンションの隣に空きが出たと聞き、引っ越しを決めたのだといいます。夫は、「これで毎日会えるね」と、どこか嬉しそう。
その温度差に耐えきれなくなった私はその夜、娘を寝かしつけたあと、改めて夫に本心を伝えました。
「お義母さんのことが嫌いなわけじゃない。でも、毎日突然家に来るのは正直迷惑。ずっと気を張っていて、正直しんどい」
「あなたが味方でいてくれないと、私はひとりぼっちに感じてしまう」
私の真剣さをようやく察した夫は「そんなふうに追い詰められてたなんて思っていなかった。ちゃんと話を聞いていなくてごめん」と謝罪してくれました。
親しき中にも礼儀あり
それから数日後、夫は義母と二人で話す時間をつくってくれました。
「急に来られると、彼女が休めないことがある。予定が崩れてしまうこともある」
「来る前に一度連絡をしてほしい」
そうした要望を伝えると、義母は了承してくれた様子。その日以降、義母がアポなしで訪ねてくることがなくなり、訪問前に一言連絡が入るようになりました。
「今日、少し顔を出してもいい?」
その一言があるだけで、私の気持ちはずいぶん楽になったのです。
また、夫は「今日は家族だけでゆっくり過ごしたい」「今週は疲れているから、週末にしよう」といった言葉も、私に代わって伝えてくれるようになりました。
私の気持ちを尊重しようと、夫が“間に立つ”姿勢を見せてくれたことが、何より心強く感じられました。
これからも、感謝を忘れずに
義母の突然の訪問に振り回されることもなくなり、無理なときは無理だと言える、その“当たり前”が守られるようになり、心に余裕が生まれました。
また、義母が近くに越してきたことで、少しの間子どもを見ていてほしいときなど、助かる場面もあり、子どもの世話を喜んで引き受けてくれるので、感謝しています。
これからも、距離感を大切にしていければと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。