戦力拡大を画策する義母
私たちは、家族3人で楽しく夕食を食べていました。そのころ、お義母さんは……?













「許せない、私を仲間外れにして!」
数日後の夜、リビングから聞こえてくる家族の笑い声を聞きながら、ひとり寂しく食事をしていた義母は、スマホを取り出しました。
「ミサキなら……私の味方をしてくれるはず」
義母がメッセージを送った相手は、義姉のミサキさん。
『ミサキちゃん、助けて。お母さん、ユリさんにいじめられてるの。ケンもユリさんの言いなり……お母さん、つらくて……』
義母は悲劇のヒロインになりきり、義姉へ嘘のSOS。そして、その夜すぐに、ケンさんのスマホに義姉から、「話があるから明日来い」と連絡が入ったのです。
突然の義姉からの呼び出しに、ユリさんの顔から血の気が引きます。義姉は、かつて義母と結託してユリさんをいびり倒していました。
「大丈夫、俺がついてる」というケンさんの言葉を励まされ、翌日、2人は義姉の家を訪れます。
「遅い!! どれだけ待たせるのよ! 手土産もないの? 相変わらず気がきかないのね」
開口一番、嫌みを浴びせられ、ユリさんは戦慄するのでした。
◇ ◇ ◇
家庭内で孤立すると、外に味方を求めて、あることないこと吹き込み、自分の陣営を増やそうとする。自分の非を認めるどころか、被害者のように振る舞い、周囲を巻き込む。そんな義母の執念深さには驚かされますね。
過去にユリさんを苦しめた義姉が「敵の味方」として現れるのは、精神的に大きな負担でしょう。ケンさんには、きちんと義姉とユリさんの間に入って、ユリさんが理不尽に傷つくことのないよう、会話を進めてほしいですね。ただでさえ、難しい義家族との距離感。それがいびられていた相手となると、どう接すべきか悩みます。しかし、やはり事実や自分の気持ちを伝えることは大切です。ひとりで抱え込まず、パートナーとしっかりと連携して事実を共有し、毅然と立ち向かいたいですね。
小出ちゃこ