嫌なことを押し付けるのが役割分担?
「今、母さんのこと生理的に無理って言ったよな? 無理な人間を俺たちに押し付けて、家族の務めを果たせって?」
そう言って、ケンが反論すると、お義姉さんは涼しい顔でコーヒーを飲みながら「押し付けるなんて人聞きが悪いわね。役割分担よ」と言ったのです。
さらにお義姉さんは、私たちに……。













自分はもう家を出た「外の人間」。ケンさんは家を継いだ「中の人間」。そしてユリさんはそこに嫁いだのだから、親の面倒を見るのはあなたたちの責任だと話す義姉。
「お義姉さんも嫌なのに、お義母さんの不衛生な行動や嘘を私たちには受け止めろって……」
ユリさんが反論しようとすると、義姉はユリさんをじっと見つめ、さらに信じがたいことを言い放ちます。
「ユリさんは専業主婦みたいなもんでしょ? パートなんてお小遣い稼ぎだし。たっぷり時間があるんだから、お母さんを説得したり、目を光らせてよ。それも嫁の仕事でしょ?」
あまりの言い草にケンさんが怒ってガタッとテーブルに手をつくと、少しだけコーヒーがこぼれました。すると、義姉は「こぼすんじゃないわよ!!」と血相を変えて立ち上がり、神経質な手つきでテーブルを拭き始めたのです。
そして、「私ね、汚いのが許せないの」と部屋を見渡す義姉。義姉もケンさんと同様に潔癖症で、不衛生な義母との生活に耐えられず、家を出ていたのでした。
◇ ◇ ◇
自分は「生理的に無理」だから逃げ出したけれど、ユリさんは「家族」で「嫁」なんだから我慢して面倒を見るべきだという義姉。この身勝手すぎる主張には、思わずあきれてしまいますね。
「役割分担」という言葉は聞こえがいいですが、要は自分がやりたくないことを他人に強制しているだけ。安全圏から口だけ出してくる人の「無責任な正論」には耳を貸さず、自分が潰れてしまわないよう、しっかりと心の距離を取りたいですね。
小出ちゃこ