なぜ"切れない包丁"ほど危険なのか【正しい使い方とは】
なぜ"切れない包丁"ほど危険なのか。
包丁を使う料理のプロである調理師的な視点でいうと、理由は以下の3つです。
・力が必要 → コントロール不可
・食材の繊維を押しつぶす → 美味しくなくなる
・見た目もボロボロ → “料理下手”に見える
順番に説明しましょう。
力が必要 → コントロール不可
※編集部注:イメージ画像です
切れない包丁を使うと、どうしても力を込めてしまいます。
これがめちゃくちゃ危ない。
職業柄いろんな人の包丁さばきを見てきましたが、切れない包丁を力ずくで使っている手元は、"斧を全力で手元ギリギリに振り下ろしてる人"に見えます。ほんとに。
※編集部注:イメージ画像です
切れる包丁は、斧の重さだけで優しく切っているようなイメージです(※例えが全部斧でごめんなさい)。
そのくらい差があります。
だから筆者は、切れない包丁を見るとゾワッとします。怖さすら感じます。
食材の繊維を押しつぶす→美味しくなくなる

切れない包丁は、食材の繊維を破壊します。
玉ねぎだったら辛味アップ。
果物だったら果汁がドバッと流れて味ダウン。
食感もザラザラした感じになって、なめらかさがなくなります。
"押しつぶし切り"をしてしまうと、美味しさも見た目も半減してしまうんです。
見た目もボロボロ→"料理下手"に見える
最後は、料理の見栄えまで変わってしまうことです。
調理の現場にいると、
「あ、この人、切れる包丁使ってないな……」
と断面で一発で気づきます。
煮物用の人参なんか、切れない包丁だと断面がギザギザ&ヒビ入り。
水分も逃げるので煮るときに崩れてしまい、"料理下手に見えてしまう"という悲劇も起きます。
包丁ひとつで料理のクオリティはめちゃくちゃ変わるのです。
正しい包丁の使い方→研ぎ時サインを見逃さない【こんな時は要注意】

「包丁を研いだほうがいいというのはわかったけど、実際どんな時に包丁を研いだほうがいいの?」と思った方もいると思います。
ここでは、「こんな時には、もう包丁を研いだほうがいいよ」という、包丁のNG集を紹介します。
・包丁を買ってきてそのまま使う
・トマトなどを無理やり力で押しつぶして切っている
・刃が欠けているのに、そのまま使う
・サビてしまったのに、そのまま使う
これらの使い方は本当にNGなので、気をつけてください。
包丁を買ってきてそのまま使う

新品の包丁を購入した時にそのまま使うのはNGです。
「え?新品ならよくない?」と思った方、実はこれ、違うんです。
買う包丁にもよるところはあるのですが、普通の包丁を買った場合は、研ぐ必要があります。
これは、筆者も専門学校に行って、初めて知りました(笑)。
新品を買ったら、研がずに使わず、研いでから使うと覚えておいてください。
トマトなどを無理やり力で押しつぶして切っている

トマトなどのやわらかいものを切っているときに、押しつぶしながら、力を入れて切るような時もNGです。
なしよりのなしです。
すべって手を切っても危ないですし、見た目も悪くなってしまいます。
調理師の間でも「トマトが切りにくくなったら包丁を研ぐサイン」と言われており、目安にしている人も多くいます。
筆者もやわらかいものをキレイに切れなくなったら、研ぐようにしています。
刃が欠けているのに、そのまま使う
刃が欠けてしまった時に、そのまま使うのはNGです。
刃が欠けてしまうと、
・刃欠け部分が食材に引っかかり、急にすべって手を切りやすい
・力が必要になり、ケガにつながる
・食材に細かい金属片が混入する可能性がある
・最悪の場合、刃が折れる
など、良いことがありません。
欠けてしまった時は、すぐに研ぐくらいでOK。
折れてしまって刃が飛んできたら、大事故です。
気をつけましょう。
サビてしまったのに、そのまま使う
サビてしまった時も同様です。
・食品衛生的には完全アウト
・雑菌が繁殖しやすい表面になる
・刃が欠けやすい
サビて欠けてしまうと、さらに欠けてしまった時のデメリットもプラスされて、もはやカオス。
サビてしまったら、すぐに研いで、サビを取っておきましょう。
そもそもサビないように、使ったらすぐ乾いたタオルなどで拭き、濡れたまま放置しないようにしましょう。
調理師が教える"最低限これだけ"包丁メンテと正しい使い方

難しいことは言いません。最低限これだけやっていただければ、包丁の危険な使い方にはなりません。
・購入時は念入りに研ぐ
・切れ味が鈍ってきたら軽く研ぐ
・すぐに洗って乾いた布で拭く
・しまう時に刃こぼれをしないように気をつける
ちょっと気をつけるだけでできることばかりですよ。
①購入時は念入りに研ぐ

包丁を購入してきたら、まずはガッツリと砥石で研いで、切れ味をあげます。
②切れ味が鈍ってきたら軽く研ぐ
使っていく中で切れ味が鈍ってきたら、軽く研ぎます。
面倒に感じる場合は、簡易的な包丁研ぎを使ってもいいと思います。

こんなやつです。
検討してみてください。
③すぐに洗って乾いた布で拭く
包丁を使ったら、なるべくすぐに洗って、乾いた布で拭くようにしましょう。
サビを予防できます。
この時、ティッシュなどで拭くのはやめましょう。
実は筆者、キッチンペーパーで包丁を拭いたことがあるのですが、その際手を激しく切ったことがあります。
キッチンペーパーを過信して、シュッと手を引いたら、勢いよく手のひらも一緒に、切れてしまいました。
注意してください。
タオルで拭けば、よほどのことがない限り手を切ることはありません。
それ以来、筆者はタオルで拭くように心がけています。
④しまう時に刃こぼれをしないように気をつける
最後はしまう時に、なるべくそっとしまうようにすることです。
刃が欠けてしまわないように、大切な宝物をしまうくらいの感覚でしまうのがおすすめです。
筆者は、我が子くらい包丁を大切に使っています。
切れる包丁を正しい使い方で使うと料理レベルが勝手に上がる

包丁は「料理のレベルを決める最強の道具」です。
切れ味を保つだけで、ケガをしにくくなり、料理は美味しくなり、作業も早くなります。
最後に、調理師として新人だった頃に言われ、今でも大切にしている言葉を紹介させてください。それが、
「大した技術がないんだから、包丁くらい切れるものを使えよ」
です。
この言葉、すごい好きで、いつ思い出しても「たしかにな」と感じます。
当時の料理への自分の意識の低さを嗜めてくれた言葉です。
家庭料理ではここまでする必要はないかもしれませんが、もし、今まで包丁の切れ味を全く気にしていなかった方は、ぜひ自分のために、見直してみてください。
料理が美味しくなるのはもちろん、この記事をきっかけに、ケガをする人が少しでも減れば嬉しいです。
今日からほんの少し、包丁を大事にしてみてくださいね。
料理の世界が一気に変わりますよ。
※一部AI生成画像を使用しています。