妹から「妻の言動が気になる」と言われ…
妻とも相談し、両親にも事情を話した結果、私と妻は一時的に実家で暮らすことになりました。新婚なのに同居なんて――と思いましたが、妻は受け入れてくれました。妹も「大歓迎!」と、うれしそうにしていました。
同居して1カ月ほど経った昼休み、妹から突然「お義姉さんのことで相談がある」と連絡が来ました。そして、出てきたのは意外な言葉でした。「お義姉さん、私のこと……好きじゃないよね」
私は思わず聞き返しました。妻が人の悪口を言うところなんて見たことがないし、家でも普通に会話しています。けれど妹は、「仲良くしてるフリをしてる」と言い切ります。そして、妹が挙げた“証拠”はどれも、妙に地味で、でも胸に刺さるものばかりでした。
いちごが苦手だと知っているのに、いちごのお菓子を買ってきたこと。大切にしていたマグカップがゴミ箱に入っていたこと。挨拶を返してくれないこと。「勘違いじゃない?」と言いながらも、小さな不安が芽生えたのも事実でした。もし本当に妻が妹に何かしているなら放っておけない。けれど、妻を疑うのも違う気がする。どちらにも踏み込めずにいました。
妻に話すと…真実はまさかの「逆」
その1週間後、妻が「久しぶりに外食しよう」と誘ってきました。引っ越し先のことを落ち着いて話したい、と。私はそこで、思い切って聞いてみることにしました。
「同居もあと少しだし……ほんの少しでいいから、妹にもう少しやさしくできない?」自分でも、言い方が苦しかったと思います。責めたいわけじゃない。ただ確認したかっただけ。そう思っていたのに、妻は目を丸くして固まりました。
「……それ、逆なんだけど。怖いと思ってるのは、私のほうだよ」
妻は「お世話になっているから言えなかった」と前置きして、少しずつ話してくれました。いちごのお菓子は、妹が「いちごが好き」と言ったから買ったこと。なのに次の日には「苦手」と言われて戸惑ったこと。挨拶を返さなかったのは、笑顔の裏で小声の悪口を浴びせられていたからだということ。そして、マグカップは捨てていない……と話します。
私は、背中が冷えていくのを感じました。妻は「たぶん、あなたを取られたくないんじゃない? おもしろくないんだと思う」と言いました。その言葉で、昔の記憶がよみがえりました。大学のころ、家に連れてきた彼女が、理由も言わずに別れを切り出したこと。あれも、もしかして……。
妹に仕掛けた“一芝居”で見えた本音
決定打になったのは、さらにその1週間後でした。妻が妹に、「離婚することにした」と切り出したのです。妹の反応を見るための、苦い芝居でした。
案の定、妹は取り繕うように笑いながら、信じられない言葉を並べました。無理して自分にやさしくする姿が面白かったこと。家族に気に入られようと頑張っているのが滑稽だったこと。――「はぁ〜もう楽しめないんだ〜」と言ったのです。
私はその場で電話を代わり、妹に告げました。「いい加減にしろ。妻は本気で仲良くしようとしてたんだぞ」すると、妹は慌てて「違う」「騙されてる」と言い訳しました。けれど、私の中ではもう、戻れないところまで来ていました。
妹は、先日妻が話してくれた嫌がらせ以外にも、私と元カノの写真を探し出して妻に送っていました。「お前、怖いよ」口から出た言葉が、自分でも冷たく感じました。でも、これ以上見ないフリはできませんでした。
その後、妹、そして私たち夫婦の関係は…
私は両親にもすべてを伝えました。両親も事の重大さを受け止め、妹には自分の生活費を自分で負担させることにしたと言います。私と妻は新居へ引っ越し、住所も伝えていません。仕事も部署異動で環境が変わり、物理的にも距離ができました。
信頼していた妹に裏切られたショックは、簡単には消えません。ですが、大切なのはこれから先。妻を守り、夫婦としての生活を立て直すことです。妻が笑顔でいられる家庭を作りたい――そう強く思うようになりました。
◇ ◇ ◇
「家族だから」「妹だから」といって、相手の生活や人間関係に踏み込んでいい理由にはなりませんよね。近い関係ほど境界線を大切にしないと、取り返しのつかない傷が残ってしまうことも。夫が妻の言葉を信じて動いたように、大切な人を守るためには、ときに“見て見ぬふりをしない勇気”が必要なのかもしれません。
【取材時期:2026年1月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。