実家へ行くと伝えたら…夫の第一声に絶句
夫に事情を伝えても、返ってきたのは心配や気遣いの言葉ではありませんでした。彼が気にしたのは、「自分の生活がどうなるか」だけ。夕飯、風呂、着替え……まるで私が家政婦であるかのように、次々と“自分の世話”の段取りを求めてきたのです。
私は「今日だけ外食で」「お風呂も着替えも自分でできるでしょ」と伝え、今はそんな話をしている場合ではないと訴えました。けれど夫は、「どうせ今からじゃ間に合わない」と言い放ちました。
それでも私は引きませんでした。私にとって大切な家族なのだと、必死に説明します。ところが夫は、「それが俺に関係あるのか」と突き放し、最後には「嫁なんだから俺を優先しろ」と言ってきたのです。
「嫁失格」罵倒されても…実家へ帰ることに
止められても行くと告げた瞬間、夫の態度はさらに荒くなりました。私を見下すような言葉を浴びせ、「家事をしないなんて嫁失格だ」「結婚したら女は夫にすべてを捧げるのが当然だ」と言い出したのです。
悔しくて、悲しくて、それでも私は準備を整えて家を出ました。申し訳ない気持ちがまったくなかったわけではありませんが、今だけは譲れませんでした。その後、私は大叔母を看取り、葬儀の手伝いなどをしながら、実家に数日滞在してから戻りました。
この一件は、夫の中では「俺を軽んじた出来事」として強く残ったようで、のちに形を変えて私に突き刺さってくることになります。
義母からの鬼電…夫が押し付けてきた「当然」
大叔母の件から少し経ったころ、仕事中の私のスマホに、義母から何度も着信が入るようになりました。驚いて夫に尋ねると、義母が最近“寂しがっている”のだと言います。外出が難しくなり、人と話す機会が減ったうえ、認知症の兆しもあるらしい――そう聞けば心配になるのは当然でした。
ただ、私が困惑したのは「なぜ私に?」という点です。夫は当然のように、「俺は仕事中に電話できない。だからお前が相手をしろ」と言いました。さらに、私が仕事中であることを伝えると、「トイレに行ってこっそり話せばいい」「どうとでもなる」と平然と言い、すべてを私に押し付けようとしたのです。
私は、義母のことを放っておきたいわけではありません。けれど、仕事を中断してまで“私だけが”対応するのは違う。何より、ひとり息子である夫自身が向き合うべきではないか――そう伝えると、彼は私を「冷たい嫁」呼ばわりし、責め立ててきました。
「実家に戻る」と言い出した夫に、私は…
言い争いが続く中で、夫は決定的な言葉を口にしました。「嫁の当然の仕事だ」「文句は俺より稼いでから言え!」私が仕事と家事を両立し、必死に回してきた日々を、まるごと否定するような言い方でした。
さらに彼は、大叔母の危篤で私が家を出たことまで持ち出し、「あのときのことは絶対に忘れない」と恨み言を並べました。
それからしばらくして、夫は突然「実家に戻る」「もう当分戻らない」と言い出しました。義母を1人にしておけないから、しばらく一緒に暮らすというのです。しかも、「その間、俺の稼ぎはびた一文渡さない」と付け加え、私を困らせるつもりなのは明らかでした。
けれど私は、驚くほど冷静でした。確認するように「本当にいなくなるのね?」と聞き、彼が本気だとたしかめたうえで、私はあっさり「賛成」と伝えました。
半年後、夫から「帰る」と連絡が…そのとき私は
別居から半年。ある日突然、「明日、お前の元に帰る」と夫から連絡が入りました。この半年間、私は弁護士に相談し、ある準備を進めていました。夫が戻ってくる理由が“愛”ではなく、実家での生活が立ち行かなくなったからだということは、すでにわかっています。ギャンブルによる借金、介護の限界、そしてその負担を私に丸投げしようとしていること――。
調査会社に依頼した結果、夫が実家に戻ってから元交際相手と関係を持っていた事実も判明しました。私はこれらの事実を夫に伝え、離婚と慰謝料請求を淡々と告げました。
翌日、彼は慌てて帰ってきたようですが、私の荷物はもうありません。驚く夫に、私は引っ越したことを伝えました。親族の理解を得て、大叔母の家にしばらく住まわせてもらえることになったのです。夫と住んでいたのは賃貸マンションで、契約者は夫。マンションをどうするかは自由にしてほしいとも伝えました。
夫は「どうすればいいんだ」とすがってきましたが、私の答えは変わりません。話はすべて弁護士を通すこと、そして――片方だけが尽くす関係は、夫婦ではないということ。そう告げて、私はきっぱり終わらせました。
◇ ◇ ◇
「嫁だから」「女だから」と役割を押し付け、相手の事情や気持ちを無視する関係は、少しずつ心をすり減らしてしまいますよね。まずは自分の尊厳を守ること――それが、人生を立て直す第一歩になるのかもしれません。
【取材時期:2026年1月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。