反省しない夫
普段の夫は、私から見ても申し分のない「理想のパパ」。休日は公園へ5歳の息子と4歳の娘を進んで連れて行き、遊んでくれます。私が疲れていると「いつもありがとう、今日はゆっくり休みなよ」と声をかけてくれるやさしい人です。
しかし、そんな夫にひとつモヤモヤすることがあります。それは、飲み会のあとの帰宅手段です。
飲み会となると夫は後輩や地元の友人と盛り上がり、一旦飲み始めると終電を完全に無視します。深夜2時すぎに千鳥足で帰宅する夫の手には、毎回1万円を超えるタクシーの領収書が。後輩の家を経由して帰り、1回で2万円近く飛んでいく日もありました。月額にするとタクシー代だけで5万円。当然、月3万円のおこづかいで払えるわけもなく、追加でお金を要求されることもありました。
酔い潰れた夫に私は何度も「お金がもったいないでしょ? 終電までに帰ってきてよ!」と怒るも、夫は「せっかくの飲み会なのに、そんなに早く帰れるわけないだろ!」と逆ギレし、話になりません。シラフのときを狙って話をするも、「ごめん」しか言わず、結局同じことを繰り返すのです。日ごろ、1円でも安いスーパーを探してはハシゴする私を横目に、夫は深夜、1万円札を平然と運転手さんに手渡している……。そう思うとやるせない気持ちになり、私の我慢は限界に達しました。
このままでは家計が破産すると思い、私は夫に家族会議を提案。「やっぱり月に5万もタクシー代に消えるなんて、異常よ」と、夫に切り込みました。酔いが冷め、冷静になっている夫は「ごめん……」と申し訳なさそうに謝ります。しかし、その「ごめん……」は、これまで何度も聞いてきた言葉でもありました。
私はため息をつき、事前にまとめておいた約2カ月分のタクシー代の領収書を見せ、「これは飲み潰れて帰ったあなたが持っていたタクシーの領収書。ここにあるだけでも10万円分だよ? 家族旅行に行ける金額だよ」と伝えました。「家族旅行に行ける金額」というワードに、夫は使い過ぎていたことを実感したようで「家族のお金を、軽く考えていた。申し訳ない」と謝罪。
その後の話し合いで、3つのルールを設けることにしました。「タクシー代はおこづかいから全額天引き。足りなくなるなら翌月のおこづかいから前借り」「タクシーを使ったら、翌週の昼食は私が作った塩おにぎりのみ」「終電アラームをかけること」です。
さらに、夫が本当に反省したのは、5歳の娘のひと言でした。私との約束をしてからも飲み会の頻度は変わらなかった夫。当然おこづかいが足りなくなり、なんとか工面しようと自分の貯金箱を振っていると、娘が「パパ、お金ないの? 私のあげる」と10円玉を差し出したそうです。その瞬間、夫は「娘の大事なお金まで自分のために使わせるのか」と自分の不甲斐なさに本気で目が覚めたのだとか。よほど反省したのか、翌月から飲み会は減り、帰宅時間も早くなったのでした。
あまりにも高額な出費が続き、一時は怒りで「もう話もしたくない!」と数日間、夫と口を聞かないこともしばしばありました。夫婦で話し合いをすることももちろん必要なことだったと思いますが、一方的に「〜しないで」「もっと〜して」と要望ばかりを出していたため、夫が実際に自分の行動を変えるまでに時間がかかってしまったのかもしれません。夫婦ともにきちんと家庭の状況を理解し、「自分のためだけでなく、家族のために使うお金」も意識することが大事だと実感した出来事です。
著者:森川ゆい/30代・ライター。ドライブや旅行、楽しいことが大好き。5歳の男の子と4歳の女の子とバタバタな毎日を過ごしているが、その中で一人時間を見つけるのも大好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)