きっかけは、義母からの同居の提案でした。義父が他界し、義妹も結婚して家を出たことで、義母は一人暮らし。そんな義母が「一緒に暮らせば生活費も抑えられるし、老後も安心でしょう? 家事は全部私がやるから、あなたは仕事に専念していいのよ」と、満面の笑みで申し出てきたのです。
いずれは同居が必要になるだろうという覚悟はあったため、夫と相談の末、私たちは義母を迎え入れることに決めました。
義母が豹変!家事を押し付け、仕事を侮辱…
ところが、同居が始まった途端、義母は豹変。「家事は任せて」と言っていた言葉はどこへやら、実際には家事のすべてを、在宅で働く私に押し付けてきたのです。義母は夫と暮らしたいがために、同居前までは必死に「いい姑」を演じていただけでした。
特に苦痛だったのは、私の仕事を「遊び」だと思い込んでいる義母の態度でした。納期が迫る中、作業に没頭していると、「私のお昼はまだ?」「大事な姑を放置して、パソコンで遊んでいるなんていい身分ね」と執拗に嫌みをぶつけてきました。
その一方で、夫の前では相変わらず「健気な母親」を演じ続け、私が作った料理もさも自分が作ったかのように振る舞う始末。下手に反論して険悪なムードになるのが嫌で、私はあえて何も言わずにスルーしていましたが、日々、強い疎外感とストレスに苛まれていきました。
義妹の離婚でエスカレートする義母の悪態!
そんなある日、結婚して家を出ていた義妹が離婚することになり、実家に戻ってくるという話が持ち上がりました。ただ、義妹は私の存在を気遣い、同居をためらっているようでした。
すると義母は、あからさまに私を敵視するようになったのです。
「あんたさえいなければ、娘と一緒に暮らせたのに。あんたが邪魔なのよ」
そんな心無い言葉を浴びせられ、私はこの家での居場所を完全に見失っていました。
「今すぐ出て行け!」夫の不在を狙った強引な追い出し
決定的な出来事が起きたのは、夫が数日間の出張で家を空けたときのことです。
「私も息子も、娘と暮らしたいの! ここは狭いんだから、あんたが今すぐ出て行きなさい!」
なんと義母は、私に相談もなく勝手に引っ越し業者を手配していたのです。私の荷物なんて衣類程度だと思い込んでいたのか、独断で一番安い単身プランを予約したようでした。
「配送先はあんたの実家にしておいたわよ! 私は買い物に出かけるから、帰宅するまでに、あなたの荷物は全部運び出してちょうだい! 荷物が入りきらなくて追加料金が出たら、自分で払いなさいよね!」
そう言い捨てて、上機嫌で出かけて行った義母。
私はあまりの理不尽さに呆然としましたが、同時に「これが潮時だ」と確信しました。 私は義母の言葉に従うフリをしながら、ある準備を進めました。そして、すぐに夫と義妹に連絡を入れ、協力を仰いだのです。
帰宅後、思わぬ光景に顔面蒼白の義母
数時間後、義母が帰宅したとき、家の中は生活感が一切消え失せ、しんと静まり返っていました。この家で使っていた家具や家電の多くが、跡形もなく消えていたためです。
実は、この家にある大型家電や家具のほとんどは、私が独身時代に必死に働いて買いそろえた私物でした。私が家を出る以上、それらを持ち出すのは当然の権利です。
案の定、義母が呼んだ引っ越し業者の小さなトラックだけでは、私の大きな家財道具は到底入り切りませんでした。そこで私は、困惑する業者の方に「追加料金は私が持つので、配送先を変更し、荷積みを続行してほしい」と交渉。さらに、入りきらない分を運ぶための別の配送業者を至急手配しました。そうしてなんとかその日のうちに、すべての荷物を私が仕事用に契約しているトランクルームへ運び出したのです。
この家に残ったのは、義母が昔から使っている古びた小さなタンスのみ。何もなくなったガランとしたリビングで、義母は顔面蒼白になりながら叫びました。
「何よこれ! 全部持っていくなんて卑怯じゃない! 私たちが生活できないでしょ!」
そのとき、別室に隠れていた夫と義妹が姿を現しました。夫は私の連絡を受け、急きょ仕事を切り上げて戻ってきていたのです。私は事前に二人へ事情を説明し、義母の暴挙を確認してもらうために来てもらっていました。
「お母さん、もういい加減にして。私はお母さんと暮らすつもりなんてないって、何度も言ったでしょ」
義妹は冷ややかな声で告げ、夫も怒りに肩を震わせていました。
自分勝手な義母の孤独な末路とは
「母さんがここまでひどい人だとは思わなかった。俺の大切な妻を追い出すような母親とは、もう一緒に住めない」
夫と義妹は、義母が私に家事を押し付け、暴言を吐いていた事実を以前から感づいていました。今回の件が決定打となり、夫と義妹は義母と距離を置くことを宣言。
「俺も妹も、もうここには戻らない。母さんも、義父さんの遺産があるんだからひとりでやっていけるだろ。これからは自分の力で生活してくれ」
夫がそう言い放つと、義母は呆然と立ち尽くしていました。
義母には義父が遺してくれた貯蓄があったため、生活に困ることはないはずです。しかし、家電も家具もなくなり、がらんとした広い家でひとりきり。何より「息子や娘と一緒に暮らしてラクをしたい」という身勝手な夢は、自分の手で完全に打ち砕いてしまったのでした。
その後、義母は狭い部屋へ引っ越し一人暮らしを始めたようですが、私たち夫婦も義妹も、以前のように頻繁に連絡を取ることはありません。
私たち夫婦もすぐに新居へ引っ越し、ようやく本当の意味で二人きりの穏やかな新婚生活を始めることができました。気まずかった義妹とも、今では時々お茶をするほど良好な関係を築いています。
義母の身勝手な振る舞いには本当に参りましたが、いざというときにしっかり守ってくれた夫には感謝しかありません。これからは、お互いを尊重し合える本当の家族を、二人で築いていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。