弟に婚約者を紹介したら…後日、彼女からLINEが
彼女であるAさんと付き合って2年。私は結婚を決意し、指輪を渡し、両家の顔合わせも済ませました。あとは式場を決めていくという段階。両親も「やっと落ち着くのね」と喜んでくれていました。
ある日、実家で家族がそろう機会があり、彼女も一緒に来てくれました。弟は遅れて現れ、玄関に入るなり目を丸くして言いました。「え……兄貴の彼女? すごいかわいいね。兄貴にはもったいないくらい」
笑いながら言う弟に、彼女は苦笑い。私は冗談半分だと思って受け流しましたが……「また始まった」――そう思ったのは、過去の経験があったからです。
ある夜、彼女から真剣なトーンのLINEが届きました。「話したいことがある。明日会える?」嫌な予感は的中しました。
嫌な予感は的中…婚約者が告げた言葉
翌日、彼女は私の目を見ないまま、ぽつぽつと話し始めました。「あなたはやさしくて真面目。でも……あなたの弟は、私のことを女として見てくれる。言葉も行動も自信があって……」そして最後に、こう言ったのです。「ごめん。婚約は……なかったことにしてほしい」
頭が真っ白になりました。怒りも悲しみも、すべてが一度に押し寄せ、体が動きませんでした。けれど不思議と、「ああ、やっぱり」という諦めもありました。弟は昔からこういう人間で、周囲はそんな弟を「しょうがない」で済ませてきた。彼女も結局、その波に飲み込まれたのだと思いました。
数日後、弟から「兄貴、彼女のことなんだけどさ……今回も譲ってくれるだろ?」と連絡がありました。私は息を吸い、できるだけ淡々と答えました。「わかった。譲るよ」弟は勝ち誇ったように笑いました。
けれど、私の返事には続きがありました。「ただし、条件がある。婚約破棄になるから、今回ばかりは慰謝料を請求する」そう伝えました。
数カ月後、弟が青ざめることになったワケ
それから数カ月。私は淡々と生活を立て直し、仕事に集中していました。そんなある日、実家から呼び出されました。リビングに入ると、弟がソファに沈み込んでいました。顔色は青白く、目の下にはクマができています。
母が慌てた様子で言いました。「あなた、弟が大変なの。少し助けてあげられない?」話を聞いて、私は言葉を失いました。弟は私の元婚約者であるAさんと同棲を始め、結婚の準備を進めるはずだったそうですが――そこで彼女の“借金”が発覚。しかも、結婚を急かしながら「返済に協力して」と迫ってきたといいます。
さらに決定打となったのは、Aさんが別の男性とも連絡を取っていた事実が発覚したことです。弟が問い詰めると、彼女は逆ギレし、「だって、あなた私のためにお金使ってくれないじゃない! 私を幸せにできないなら、別れる!」と言い放ち、そのまま姿を消したそうです。
彼女は私の前では、まだその本性を見せていませんでしたが、もしもう少し結婚の話が進んでいたら……同棲したら……同じように豹変していたのかもしれません。
「俺、騙されたんだ……」それ以降、弟は以前のように軽口を叩くことはなくなりました。私のものを奪おうとすることもありません。私はといえば、婚約破棄の痛みは残りましたが、それも時間とともに薄れていきました。何より、結婚前に相手の本性が見えたことは、不幸中の幸いだった。今はそう思えます。
◇ ◇ ◇
身近な人に裏切られる経験は、想像以上に心を傷つけるものですよね。ただ、結婚前に相手の本性に気づけたことは、不幸中の幸いだったのかもしれません。少しずつでも、次の一歩を踏み出していけるといいですね。
【取材時期:2026年1月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。