「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は母乳育児に関するご相談です。
Q.母乳をたくさん飲まないとダメなのでしょうか?
生後51日目の男の子のママです。
現在、母乳寄りの混合栄養で育てています。10回ほどの母乳と1日3~4回、トータル250~350mlほど育児用ミルクを足しています。
おっぱいを搾ると射乳や母乳が滴ることがありますが、出てこないときもあります。
母乳育児のメリットは理解しています。なので、母乳量がもう少し増えたらいいなとも思います。あまり出てないとしても、母乳を少し飲んだだけでも、言われているような母乳の効果を赤ちゃんは得られているのでしょうか? たくさん飲まないと母乳の効果はないですか?
高塚あきこ助産師からの回答
おっぱいは、お子さんの免疫獲得に効果があると言われていますよね。おっぱいが少ししかあげられない場合であっても、おっぱいの免疫はしっかりお子さんにあげることができていますよ。完全ミルク育児の場合でも、お子さんとたくさんスキンシップをなさることで、免疫をあげることができると言われています。
ですので、おっぱいは少量であっても、お子さんにはとても大切なものになりますので、可能な限りは飲ませてあげてくださいね。また、お子さんとたくさんスキンシップをなさることも大切ですので、合わせてなさるといいかもしれませんね。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
母乳育児のメリット
ママのメリット
・子宮の回復がよい
・産後のダイエットにもなる
・子どもとの触れ合いの機会が多くなる
・ラク
・経済的
・授乳中は避妊率が高い
・月経のない期間が長い
・閉経前の乳がん、卵巣がん、子宮体がんのリスクが低下する
・骨粗しょう症を予防する
・妊娠糖尿病から糖尿病に移行するリスクを減少させる など
赤ちゃんのメリット
・赤ちゃんに必要な栄養成分が含まれている
・消化・吸収がよい
・善玉菌(ビフィズス菌)が多くなる
・免疫物質が多く含まれている
・突然死の確率が低くなる
・小児糖尿病・小児がん・中耳炎の危険が少なくなる など
母乳育児のデメリット
母子ともにメリットが多い母乳育児ですが、その一方でデメリットもあります。
産後すぐは母乳の量が安定せず、母乳分泌を促すために赤ちゃんが泣いたら母乳を与える頻回授乳が必要となるため、体力的な面で大変です。また、正確な哺乳量もわからないため、足りているのか不安になるママも少なくありません。そのほか、乳腺炎になったり乳首が裂傷したりとトラブルが起こることもあります。
赤ちゃんにとってのデメリットは、母乳性黄疸やビタミンK不足をきたす可能性があります。また、母親がHTLV-1(成人性細胞白血病ウイルス)に感染している場合、母乳を介して赤ちゃんに感染する恐れもあります。そのほか、母乳は鉄の含有量が少ないため、乳児期後期に鉄欠乏性貧血になることもあります。
母乳育児を希望していても、赤ちゃんに十分な母乳を与えられない場合、育児用ミルクを補足する混合栄養という方法がとられます。そしてなんらかの理由で母乳が与えられない、また母親の意思などで人工栄養(ミルク育児)が選択されることもあります。日本では、数々の乳業会社が母乳の研究を進め、母乳を目指したミルクが開発・販売されています。2018年8月には液体ミルクの制度改正により、日本でも液体ミルクの製造・販売が解禁され、話題となりました。
人工栄養(ミルク育児)は、母乳が足りない母親にとっては、精神的な負担を軽減し、赤ちゃんの成長を助けてくれます。また、授乳室がない場所での授乳など状況に応じた授乳も可能です。さらに、ママ以外の家族が授乳することもできるため、赤ちゃんとの触れ合う機会も増えます。保育園などに預ける場合にも便利です。哺乳瓶を使うことで、赤ちゃんが飲んだミルクの量を正確に把握できるのもメリットといえるでしょう。
その一方で、調乳グッズのお手入れや、消毒など手間がかかる点はデメリットといえます。特に、夜間の授乳時は大変かもしれません。また、出かける際にも、哺乳瓶や育児用ミルク、お湯の入った水筒など、荷物が増えてしまいます。育児用ミルク代がかかるという点もデメリットといえるでしょう。
※参考:基礎知識(ベビー)「母乳育児のメリットとは? 断乳・卒乳の方法、おっぱいトラブルの対処法について」
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