私は悲しくて涙が止まりませんでした。けれど、その出来事を境に、義母の様子は大きく変わっていきました。
変わってしまった義母
義父が亡くなってから、義母はまるで人が変わってしまったかのように、お金を使うようになりました。高級バッグ、旅行、外食。以前の義母からは想像できないほどの散財ぶりに、私は心配になって夫に「大丈夫なのかな……」と相談しました。
けれど夫はため息をつきながら言いました。
「母さんも寂しいんだよ。今は好きにさせてやって」
どうやら夫は、昔から厳しかった義父のことが少し苦手だったようで、義母に同情しているようでした。
しかし嫌な予感は的中。数カ月後、義母はお金に困るようになり、夫がこっそりお金を渡していることが分かりました。
「相談もなくお金を渡すなんておかしいよ」と私は怒りましたが、夫は反省している様子はありませんでした。
「次、私に隠れて何かしたら離婚だから」と言うと、夫は「わかったよ」と渋々うなずきました。
初めて車を買いにきたのに
それからしばらくして、私は出産後のことを考え、車を買い替えることにしました。チャイルドシートを載せやすい車にしようと思ったのです。
夫と一緒にディーラーへ行くと、営業の方が笑顔で声をかけてきました。
「サブカーですか? いいですね♪」
私は思わず聞き返しました。
「え? 車を買うのは初めてですが……」
営業さんは少し驚いた顔で続けました。
「先日、他店にヘルプで行っていたのですが、旦那さまはお母さまと一緒にお車を見に来られてましたよね」
その瞬間、頭が真っ白になりました。その日は、とても車を選ぶ気持ちにはなれず、そのままディーラーを後にしました。
夫の裏切り
私は夫を見ました。夫は明らかに焦った顔をしています。
「どういうこと?」
問い詰めると、夫はしぶしぶ話しました。
実は義母と車を買いに来て、義母の車を購入。夫名義でローンを組んだというのです。
もう隠しごとはしないと、約束したはずなのに。
その日の帰り道、私は静かに言いました。
「私になんの相談もなく何百万円も使うなんて……。すぐに約束を破られて、この先も一緒にいるのは無理だよ」
夫は慌てて「そんな大げさな話じゃないだろ」と言いましたが、私の気持ちはもう決まっていました。
お金の問題だけではありません。家族なのに、信頼できないことがつらかったのです。
私は離婚を選びました。
新しい一歩
その後、何度も話し合いを重ねましたが、夫との溝が埋まることはありませんでした。
「やり直せる」と言う夫に対して、私はただ首を横に振ることしかできませんでした。
一度壊れてしまった信頼は、もう元には戻らないと思ったからです。
離婚後、実家の近くに引っ越し、のちに無事に子どもを出産しました。大変なことも多く、決して楽な毎日ではありませんが、それでも子どもの寝顔を見るたびに、この子を守るための決断だったのだと実感しています。
家族だからこそ、信頼が不可欠だと思います。思い描いていた未来とは違う道になりましたが、あのときの選択を、後悔はしていません。これからは子どもとともに、穏やかな日々を大切にしていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。