元カノと親友の裏切り…傷心のひとり旅へ
さらに残酷なことに、彼女の乗り換え先は、私の親友で有名企業に勤めるオフィスワーカーでした。以前、お互いの親友を交えて飲んだときに連絡先を交換していたようです。「ごめんな……」と口では謝りながら笑う親友と、そんな彼に寄り添う元カノ。2人に裏切られた私は、心身ともにボロボロになっていました。
そして、傷ついた心を癒やすため、私はひとりで旅に出ることにしたのです。行き先は、かつて元カノが「いつか泊まりたい!」と憧れていた旅館。せめてもの未練を断ち切るための、少し自暴自棄な選択だったかもしれません。
しかし、その日の夕食時に予期せぬトラブルが発生します。
突然、旅館全体がバツッ!と音を立てて真っ暗になったのです。「えっ!?」「何事だ!」とパニックになる宿泊客。女将は急いで電気業者に連絡したものの、週末ということもあり、到着までには時間がかかるとのことでした。
暗闇の中、せっかくのディナーはお預け状態。館内では宿泊客のイライラが募り、不満が爆発寸前になっていました。
旅館が突然真っ暗に!私が気づいた“異変”とは
宿泊客の混乱が広がっていくのを見て、このまま見過ごすわけにはいかない——そう感じた私は、思わず女将に声をかけました。
「あの、仕事柄こういうのは少しわかりますので、私が見ましょうか?」
半信半疑の旅館スタッフをよそに、私は配電盤を確認しました。電気工事士の資格を持っていることを証明すると、設備の確認を任せてくれました。すると、一部の回路に異常があることが判明。私はスタッフに非常用回路への切り替えを急ぐよう伝え、立ち会いのもとで応急対応にあたりました。
日ごろから現場で培った知識と判断力が、思わぬ場面で役立ったのです。「復旧までに時間がかかる」と絶望視されていた状況でしたが、対応は数十分で完了。再び館内に明るい灯りがともると、宿泊客やスタッフから安堵の声が上がりました。
その様子を、熱いまなざしで見つめている女性がいました。この旅館の若女将です。
若女将が一目惚れ!?思いもよらない展開に…
「あのときの手際と頼もしさ、本当に素敵でした」
帰り際、若女将からあらためてお礼を言われました。彼女は、肩書きや見栄ばかりを気にする男性が多い中、いざというときに自分の手で動ける強さと技術を持つ私の姿に、一目惚れしたと言うのです。
すっかり意気投合した私たちは連絡先を交換。そこから順調に愛を育んでいきました。自分の仕事を心から尊敬し、頼ってくれる彼女の存在は、傷ついた心を癒やしてくれました。
私を捨てた元カノの末路…そして私は
私が幸せをつかんでいたころ、元カノは地獄に突き落とされていました。
「俺、あいつ(私)のこと昔からなんか気に食わなくてさ。あいつの彼女を奪う、それだけのつもりで付き合っただけ。もう飽きたわ」エリート親友から突然、ゲスな本性を突きつけられ、あっさり捨てられたのです。
肩書きだけに目がくらみ、私を裏切った代償はあまりにも大きかったようです。後悔した元カノは、恥を忍んで私に連絡してきました。「ごめんなさい、私がバカだった。やっぱりやり直したい」そんな自分勝手なメッセージに対し、私が返した言葉はひと言。
「もうすぐ結婚します。お元気で」
それだけ送信し、ブロックしました。現在、私は若女将の実家である旅館の設備責任者として働きながら、幸せな毎日を送っています。人を肩書きで見下し、裏切った2人が今どうしているのか、もう知る由もありません。
◇ ◇ ◇
肩書きや見た目だけで人を判断してしまうと、本当に大切なものを見失ってしまうことがあるのかもしれません。誠実に仕事と向き合い、自分の力を積み重ねてきた経験が思わぬ形で役立ち、誰かの助けになったり、信頼につながったりすることもありますよね。
どんな仕事にも価値があり、その人の魅力は肩書きではなく、日々の姿勢や行動に表れるもの。自分らしさを大切にしながら、本当に自分を認めてくれる人との出会いを大切にしていきたいですね。
【取材時期:2026年3月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。