タワマンで始まった、謎のマウント攻撃
「お宅、何階?」
突然そう聞かれ、階数を答えると、女性は満足そうに笑いました。
「うちは最上階なの。あなた、うちよりずいぶん下ね」
さらに、「ご主人は何をしているの?」と次々に質問を重ねてきます。独身だと答えると、「1人でここに住めるなんて、よほど稼いでいるのね」と嫌み交じりの言葉まで。内心うんざりしながらも、仕事柄身についた受け流しスキルでその場をやり過ごしていました。
そこへエレベーターが到着し、中から見覚えのある男性が降りてきました。なんと、私の担当先企業の代表だったのです。
女性はその妻であることが判明し、本人は「社長夫人」であることをかなり誇りに思っている様子でした。その流れで、半ば強引にお茶会へ誘われることになったのです。
お茶会でエスカレートした格付け
仕事の付き合いと割り切って参加したお茶会では、私だけが明らかに「格下」扱い。手土産がないことを責められ、会計を押しつけられるなど、理不尽な扱いが続きました。
さらに後日、複数人での食事会にも呼び出され、「せっかく私たちの輪に入れてあげたんだから、低層階のあなたが今日は全額払って当然でしょ?」と20人分の食事代まで求められたのです。さらに「私の夫を誰だと思ってるの? いつもお世話になってるんでしょ」と続けました。
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく口を開きました。
勘違いしていたのは、あなただけ
私は落ち着いて、しかしはっきりと伝えました。
「はい、ご主人は現在、弊社の子会社で働いていただいてます」
その瞬間、場の空気が止まりました。社長夫人は目を見開き、「は? 何言ってるの? 夫は社長よ?」と声を荒らげます。
私は静かに「ご主人の会社は、先月より弊社の完全子会社となりました。現在は弊社の管理下で、プロジェクトの立て直しに専念していただいています。いわば、私とは同じグループの『同僚』に近い立場になられたんですよ。……ご主人から、何も聞いていらっしゃらなかったのですか?」と続けました。
実は、先方の会社は経営状況が悪化しており、私の会社が人材・業務の両面で支援に入っていたのです。つまり、彼女が思っていたような「上から見下せる立場」ではなかったのです。
さらにそこへタイミング良くご主人が現れ、「彼女の言う通りだよ。今はうちの事業を立て直すために、こちらで働かせてもらっているんだ」と静かに説明。その言葉に、社長夫人の表情がみるみる強張っていきました。
本当に大切だったもの
その日を境に、社長夫人からお茶会や食事会の誘いが来ることは一切なくなりました。後日、ご主人から改めて丁寧な謝罪を受けたとき、私はようやく胸のつかえが下りた気がしました。
肩書きや住む場所で人を値踏みしていた彼女にとっては、思いがけない現実だったのかもしれません。
けれど今回の出来事で、改めて実感しました。本当に人を支えるのは見せかけの肩書きではなく、日々積み重ねてきた信頼と仕事そのものなのだと。
--------------
肩書きや住んでいる場所だけで相手を判断し、優劣をつけようとする姿勢は、時に思わぬ勘違いを生むものです。今回は、相手を値踏みするような言動が、結果的に自分自身を追い込むことにつながっていました。見た目や肩書きではなく、その人が日々積み重ねてきた信頼や仕事ぶりこそが本当の価値なのだと、改めて感じさせられるエピソードでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!