義母は、わが家に来てもソファでゴロゴロとテレビを見ているだけ。何をしに来ているのかと、ずっと疑問に思っていました。
さらに私を悩ませていたのは、義母がわが家で過ごす際の「食事」です。
支払いを押しつける義母
わが家に来る際、義母は決まって飲食店から出前を頼むのです。
「みんなで食べようと思って注文しておいたわ」と、あたかも自分がごちそうしてくれるような口ぶりで言うのですが、配達員が到着すると「あら? お財布忘れちゃったかしら。支払いお願い」と私に押しつけてくるのです。
配達員の方を待たせるわけにもいかず、結局毎回私が支払うことになります。あとから夫を通じて請求しても「今度払うわ」とはぐらかされ、一度も払ってもらったことはありません。
それどころか、私がまとめ買いをしてストックしている日用品や食材まで「2人とも働いていて余裕があるんだから、少しわけてちょうだい」と半ば強引に持ち帰る始末です。
共働きとはいえ、これからの子育てに向けて少しでも貯金をしておきたいわが家にとって、義母の振る舞いは見過ごせない負担になっていました。
これ以上は限界だと感じた私は、義母の訪問について義父に電話で相談することにしました。すると、義父から信じられない言葉が返ってきたのです。
「お前さんが『家事に手が回らないから手伝いに来てほしい』って、頼んでるんだろう? 妻も毎週大変そうだぞ」
私は耳を疑いました。そんなお願いは一度もしたことがありません。義父に事実を伝えると、義父も驚き、義母が嘘をついてわが家に入り浸っていることが発覚しました。
私は義父から聞いた話をすぐに夫に報告し、次も義母が同じことをしたらその場で話し合おうと決めました。
超高級寿司店から勝手に出前
そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら迎えた翌週末。またしても義母がわが家にやって来ました。
そしてお昼時になると、玄関のチャイムが鳴りました。配達員が持ってきたのは、地元で有名な超高級寿司店の特上寿司の大きな桶でした。
義母はそそくさと寿司を受け取ると、「支払いお願いね~」と言ってリビングへ戻っていきました。請求額を聞いた私は思わず絶句。なんと金額は、4万円を超える過去最高額。配達員の方を待たせるわけにもいかず、ひとまず私が立て替えました。
リビングに戻った私は、4万円を超える領収書を義母の目の前に置き、今度こそきっちり払ってもらいたいと強く伝えました。しかし義母は「たまには家族でおいしいものを食べたいじゃない。あなたたちは共働きで稼いでるんだから、これくらいいいでしょう?」と……。
すると、私と義母のやり取りを見ていた娘が、不思議そうな顔をして言いました。
「おばあちゃんってお金ないの? ごはんのお金いつもママが払ってるね」
純粋な孫からのストレートな言葉に、義母は顔を真っ赤にして黙り込みました。そんな義母に対して夫は「親父に嘘をついてまで、なんで毎回うちでタダ飯を食べるんだ? いい加減にしてくれ」と、厳しい口調で問い詰めたのです。
毎週わが家で食事をしていた理由
逃げ場を失った義母は、ようやく本当の理由を話し始めました。まもなく定年を迎える義父に、サプライズで海外旅行をプレゼントしたかったのだと言います。旅行代を貯めるために自分の食費を浮かせようと考えたものの、食べるのが大好きな義母は質素な食事では我慢できなかったそう。
そこで「共働きで余裕がある息子の家でごちそうになればいい」と思いつき、毎週わが家にやって来て、出前を頼んでは私に支払わせていたということでした。
「なにそれ……」と、夫も私もあきれてしまい、大きなため息をつきました。義父のためにという気持ちは素敵ですが、そのお金を作るために私たちに負担をかけるのは本末転倒です。
その後、夫から連絡を受けた義父がわが家に到着。義母は私たちの目の前で義父から厳しく叱責されました。義父は、これまでにわが家が負担してきたおおよその食事代を、私たちに手渡してくれました。
◇ ◇ ◇
義父へのプレゼント代を作るために、息子の家庭に自分の食事代を負担させていた義母。家族とはいえ、相手の経済状況や生活を無視して金銭的な負担を強いるのは、決して許されることではありませんよね。家族とはいえ、無理な援助を求められたり、支払いを負担させられたりすることが続く場合は、相手との間に明確なルールを設け、夫婦でしっかり連携を取りながら、家計と家族の生活を守りたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。