私の状況を知った友人
私とA子は幼稚園のころからの友人で、家族ぐるみの付き合いがありました。社会人になってからも、時々、食事へ行く関係が続いていました。
ある日、母から「A子のお母さんに、あなたが仕事で評価されて収入も上がったことを話した」と聞きました。そんなこと言わないでよ……と思ったものの、母同士、何気なく会話していた際にポロッと口にしてしまったそうです。
そのすぐあとに、A子からメッセージが届きました。
「お給料、上がったんだって? 仕事順調なんだね」
「昔から要領がいいもんね。就職も早く決まったし、何でもうまくいっていいね」
彼女からのメッセージは、少しトゲのある言葉のように感じました。どう返信したらよいか考え……「任される仕事が増えたから、これからも頑張らないと」とだけ返し、彼女の近況を尋ねてみました。すると、彼女からは「順調な人には私の気持ちなんてわからない」とひと言。これ以上やり取りを続けても、お互いに嫌な気持ちになるだけだと思った私は、そこで返信をやめました。
母によると、A子は少し前に勤めていた会社を退職し、今後について悩んでいたそうです。余裕がなく、私の仕事が順調だと聞いて複雑な気持ちになったのかもしれません。そう考え、私はしばらく距離を置くことにしました。
結婚式への出席を連絡したけれど…
それからだいたい半年が経ったころのことです。A子から結婚式に招待したいとメールが届きました。連絡を取っていなかったため驚きましたが、長年の付き合いもあり、私は出席する旨を返信。
その後、迎えた結婚式当日。受付で名前を伝えると、受付を担当していた方がしばらくして困ったような表情を浮かべて……。そして「名簿に名前が見当たらなくて……」と言われたのです。招待状を見せても、受付担当の方たちの名簿には、私の名前はないとのこと。
慌ててA子へ連絡すると、しばらくして返信が届きました。
「ごめん、招待してたの忘れてた~。席がないから帰ってもらえる?」
招待状も送ってきて、出席の返信も受け取っているはずなのに、忘れていた――?
「……わざとだよね?」
そう聞くと、しばらく返信が途絶えた後……彼女は「最近連絡を取っていなかったし、来なくてもいいかなと思って」と言ったのです。「わざと」であることを認めた瞬間でした。呆然としていると、さらに彼女からは信じられないメッセージが。
「でも、せっかく持ってきたならご祝儀は受付に預けておいて」と。
返信はせず、私はそのまま会場をあとにしました。もちろん、ご祝儀を預けるなんてことはしませんでした。悲しさ以上に、こんなことをしてしまうA子に呆れてしまいました。
翌日…母親から謝罪の電話
結婚式の翌日、A子のお母さんから電話がかかってきました。
「昨日は本当にごめんなさい。せっかく来てくれたのに、嫌な思いをさせてしまって……」
突然の謝罪に驚き、事情を聞くと、結婚式に私の姿がなかったことを不思議に思ったA子のお母さんが確認してくれたようです。受付スタッフの方と本人に話を聞いたところ、A子が私を招待しておきながら席を用意せず、会場まで来た私を帰らせたことがわかったとのことでした。
A子のお母さんは、幼いころから私たちの関係を知っています。そのため、「どうしてそんなことをしたのか」「長年の友人にすることではない」とA子を厳しく叱ったそうです。新郎にも今回のことが伝わり、A子の行動に驚いていたと聞きました。
「おばさんが謝ることではありません」と何度も伝えたものの、A子のお母さんは、その後も何度も謝ってくれました。しかし、残念ながら、A子本人からは、現在まで何の連絡もありません。
幼いころからの友人と、こんな形で関係が終わったことは残念です。将来について悩んでいた時期に、私の仕事が順調だと知り、A子は複雑な気持ちを抱いたのでしょう。その不満を私にぶつけるような形で、結婚式での嫌がらせをしたのかもしれません。だからといって、やっていいことと悪いことがあると思います。これからは付き合いの長さだけにとらわれず、互いを尊重し、安心して付き合える人との関係を大切にしていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
イラスト:藤まる
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