27歳で結婚後、2年間妊娠できなかったので婦人科に通い始めました。タイミング法を6回、人工授精を6回しましたが妊娠しませんでした。半年ほど悩んだ末、体外受精専門の病院に転院。子宮鏡手術を経て、1回目の移植で妊娠できました。今回は、なかなか原因がわからなかった不妊治療の体験をお伝えします。
タイミング法・人工授精で結果が出ない
結婚後すぐに「赤ちゃんに恵まれたらいいな」と思っていましたが、なかなか妊娠することができませんでした。不安に感じ、まだ20代でしたが、1度夫婦で検査を受けてみようと近くの婦人科を受診しました。その結果、各種の検査で夫婦ともに異常はなし。
「タイミング法で解決するか」と楽観的にとらえていました。しかし、半年間試みましたが妊娠せず、人工授精にステップアップ。そして人工授精を6回しましたが、結果が出ませんでした。
体外受精へのステップアップを決断
体外受精へステップアップする決断はなかなかできませんでした。そしてメンタル的にもPMS(月経前症候群)が悪化したり、友人の妊娠を喜べないなどの状態が続く時期だったと思います。決断のきっかけとなったのは実母からの一言でした。「どうしても子どもが欲しいなら、まずは1度、体外受精を試してみたら?」と背中を押してくれたのです。
母の言葉で、まずはチャレンジしてみようと前向きになることができました。さらに同世代で3人の友人たちが先にステップアップして妊娠していく姿にも励まされました。
体外受精、そして妊娠・出産
体外受精の専門病院に転院し、子宮鏡手術を経て体外受精をおこないました。1回目の採卵は仕事の繁忙期と重なってしまい、採卵できたのは2個。さらに受精もうまくいかず、移植できる受精卵が1個もない状態……。高額の費用をかけたにも関わらず、納得できない結果でした。
2回目の採卵は仕事を休み、担当も院長先生を指名して調整し、5個の受精卵ができました。そして1個目の移植で妊娠でき、無事出産することができたのです。
赤ちゃんが欲しいなと思ってから出産に至るまで、約5年の月日がかかりました。ステップアップは経済的負担も身体的負担も大きいものでした。不妊原因のわからなかった私たちにとっては体外受精が解決策だったようです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:小川かなえ
2歳の双子姉妹の母。東京郊外在住。元保育士、不妊治療を経て妊娠出産。子連れハイキングやキャンプなどアウトドアも再開。現在は親子の森のようちえんを運営し、地域や自然とともに子育てをしている。