こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが伝い歩きができるようになってきたらママも楽しみが増えますね。早く歩けるようになってほしいとも思いますが、歩けるようになるまでに知っておきたいことを今回はお話します。
この時期の赤ちゃんの発達
多くの赤ちゃんが9カ月ごろからつかまり立ちを始め、10カ月ごろから伝い歩きをします。そして、1歳〜1歳半ごろまでにひとりで歩くようになります。このころの赤ちゃんの発達としては、感情表現が豊かになり、自己主張も激しくなります。また、周りのものや人への興味関心が強くなり、大人のしていることをマネしようとします。
「おもしろそう!」と思ったら、一直線に興味のあるところへ直行。ひとりでソファーに登ってみたり、台所で鍋をお玉でたたいてみたり、私の娘は目を離した隙に、トイレでトイレットペーパーをすべて引き出して大喜びしていました。
自分で好きなところに移動できるからこそ、この時期には油断したときに転落、転倒などの事故が起きることもあります。そこで、具体的な事故と気を付けるポイントを紹介します。
【1】頭をぶつける
歩き始めたころによくあります。ハイハイのときは届かなかった高さでも、立ってみると頭が当たります。机、テレビ台、本棚などの四隅の角はとがっているので気を付けましょう。
対策としては、家具にクッション材などを貼るのがおすすめ。両面テープやボンドなどで付けることができます。子どもがはがしてしまうこともあるので、定期的に点検をしましょう。また、棚にぶつかったときに棚が倒れてきては危ないので、家具を固定しておくとより安心です。
実際、保育現場であった私の失敗談をお話しします。歩き始めて間もない子がバランスを崩し、転んで本棚の2段目の棚におでこをぶつけました。四隅の角や上段の棚にはクッション材を貼って気を付けていましたが、間の棚には貼っておらず油断してしまったことから起きた出来事です。
【2】バランスを崩して転ぶ
大人と比べて赤ちゃんの体のバランスは頭が大きいことが特長です。頭が大きいということは頭が重いということ。そうするとバランスが取りにくく、転びやすいということになります。大人が転ぶというと前に転ぶイメージですが、赤ちゃんは後ろにも転ぶので要注意です。
対策としては、赤ちゃんが過ごす部屋にはクッション性のあるマットなどを敷くこと。そのマットは、動かないもの・滑らないもの・段差のないものを選びます。また、赤ちゃんがつかまり立ちのときに思わずつかんでしまうようなものを置かないようにします。例えば、椅子の座布団。椅子につかまり立ちをしようとして座布団をつかんでそのまま後ろにひっくり返ることもあります。テーブルの上に新聞紙を置いていたら、新聞紙を触ろうとしてそのまま後ろへひっくり返るなんてこともあります。
【3】道路で走り出す
歩くようになってきたときのお散歩は要注意です。このころは、歩くことが楽しくて仕方なく「自分で歩く!」という気持ちが強くなり、ママの手をはねのけたりします。そして、興味のあるものを見つけるとそれに向かって走り出すなんてことも。これが公園だったらいいのですが、道路だととても危険です。
一番大切な対策は、「道を歩いているときは手をつなぐ」ということを何度も何度も根気強く伝え、実践するということ。時間がかかり大変なことだと思いますが、外での事故は命に関わることもあるため、「それが外に出たときのルール」という強い気持ちを持って接しましょう。そして、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんは大人が予想もつかないところでケガをするので、対策をするときは、赤ちゃんの目線になって考えてみましょう。保育所では、ケガにつながらなくとも「ヒヤリ」としたときに、次にヒヤリとしないようにどうすればいいかを考えて対策をしています。そうすることで、ケガや事故が格段に減ります。ママのヒヤリとした感覚は大切です。ヒヤリは赤ちゃんの安全を守ってくれるヒントだと思い、対策してみてください。