娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。
腹痛を訴え、下痢を繰り返す娘
ある日保育園に娘を迎えに行くと、先生から「今日はあまり給食を食べませんでした」と報告がありました。いつもはよく食べる娘なので、風邪気味なのかな?と少し心配になりつつも、あまり気にしませんでした。
その後帰宅すると、今度は娘が「おなかが痛い」と訴え始めたのです。トイレに連れていくと下痢……。何度か下痢を繰り返し、その日は眠りにつきました。ところが夜中、娘が何度も唸りながら起きるのです。これはおかしいなと思い、翌朝かかりつけの小児科に連れていくことにしました。
血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送
翌朝、小児科でノロ・ロタの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。
腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、お尻にバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。
O157が検出! そして血尿…!
しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室に来たのです。そこで告げられたのは、検便の結果O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。
同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。
合併症を発症し転院!
血尿が出てすぐ先生から、「娘さんは溶血性尿毒症症候群という合併症を発症しています。すぐに子どもの透析が可能な施設に移します」との言葉がありました。そのまま救急車に乗せられ、もっと大きな病院に搬送……。
溶血性尿毒症症候群とは、O157が出すベロ毒素により血小板や腎機能が壊されている状態だそうです。輸血・透析・脳の後遺症などの可能性が告げられましたが、幸い娘は転院先で回復し、輸血も透析もせずに済んだのです。菌が消えるまで3週間もの期間入院し、元気になって退院することができました。
娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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著者:河津明香
2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
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こんな恐ろしいものだとは知らなかった!