新年度から2人の子どもはそれぞれ小学校・保育園に入りました。市の発表が二転三転するなか、私たち夫婦は子どもの健康を守り、学習や精神面のサポートができるよう情報収集しながら懸命に考えました。不安と焦りで、私たち夫婦は子どもたちの顔を見て話を聞くことが少なくなり、肝心な子どもの気持ちを置き去りにしてしまったのです。それに気づいた経緯とわが家での対処法をお伝えします。
どうなる!? 小学校と保育園…必死に情報収集
6歳と2歳の子どもは、新年度から小学校、保育園に通う予定でした。わが家は夫婦共働きの自営業なので、6歳の息子は学童保育を利用。市の発表が日々変化するなか、子どもの居場所はどうなるのか、仕事はできるのか、夫婦でできる限り情報収集しました。
ライフライン関係の仕事なので休むことはできず、休んだ場合は収入の心配も。どうにかして先を見通したいという一心でした。テレビを観たり、インターネットで検索したりしましたが、決め手になる情報は得られず。調べても答えが見つからず……お先真っ暗でした。
夫婦は新型コロナウイルスの話ばかり
仕事の調整はどうするか、子どもを登校・登園させるかどうか、他の人はどうしているか。私たち夫婦は顏を合わせればそんな話ばかりでした。時には、政府への批判的な気持ちをぶつけあうことも。わからないことが多く、小学校や保育園からの通知内容も変わり、途方に暮れる毎日。
子どもが「ちょっと聞いて!」と言っても、「今は大事な話をしているから無理」と答えることも増えました。先が見えない不安と焦りで、夫婦ともに「思うようにいかない」とイライラが募る一方でした。
食卓で怒った息子
ある日の夕食。息子が「僕ね、もうコロナウイルス飽きたよ。楽しくないよ。違う話をしようよ」と。家族団らんのひとときが新型コロナウイルス一色になってしまっていたことに気づきました。「ごめんね、そうだよね。今は大変な時期だけど、他にも大切なことたくさんあるよね」と子どもたちに謝りました。
その後夫婦で話し合い、新型コロナウイルスの情報を集める時間を決める、話し合うときは子どもがいないとき、もしくは時間を決めてすることを約束。また、大変な時期は家族で協力するしかない、家族が元気でいられるように前向きなことを考えるようにしました。
夕食は今日のよかったこと発表会に
そこで、わが家では毎日夕食のときに「今日のよかったこと発表会」をおこなうことに。すると、今日は何を言おうかと、私は良いこと探しをするようになりました。天気がよかった、信号が青だった、仕事がうまくいったなど、うれしいことはたくさんあるのだなと気づけるようになったのです。
1人が発表してみんなで拍手をする。「今日も良い1日だったね」と、お互いに確認することで、食事の時間が楽しくなりました。夕食のときだけは家族みんなで新型コロナウイルスから離れることができるようになったと思います。子どもも楽しいようで、「今日はね、いっぱいあるよー」とたくさん発表してくれるようになりました。
感染状況、予防方法、休業要請など重要な情報はたくさんあります。しかし、情報収集にとらわれ過ぎると、不安ばかりが募ることに。悩んでいる親を見ている子どもは、もっと不安なのかもしれません。1日のうち、短い時間でも日常を感じることが大切。これからも家族が一丸となれるように、「よかったこと」に目を向けていきたいです。
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著者:更田未央子
6歳と2歳の子を持つ母。看護師・保健師・養護教諭1種・FP3級の免許を取得。現在、高校生を対象とした学習塾の講師をしながら、FP2級を目指す。育児・教育・医療・金融・不動産について執筆中。