こんにちは、助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。今日は2人目3人目の母乳育児についてお話ししたいと思います。
初産のあとのおっぱいの張り
産後2日目〜3日目、ようやくおっぱいは授乳に向けて動き始めます。 まるで中に鉄のお椀が入っているみたいにガチガチに硬くなって、大きさも3倍ぐらいに膨れ上がり、痛みと熱感をともない始めます。前代未聞のおっぱいの激変にママたちは面食らいます。
乳房うっ積とは?
とくに初めての出産後、このような状態になる傾向は強く、張っているわりに搾っても赤ちゃんに吸わせても、思うように母乳は出ません。痛みはどんどん増すばかり。医学的にはこのような状態を「乳房うっ積」と言い、産後間もないママたちを困らせるおっぱいトラブルの代表選手です。
2人目3人目になると楽に
初産では母乳の分泌量と赤ちゃんの需要量がぴったり合い始めるには、平均して4カ月ぐらいかかるのが通常ですが、経産婦さんは当てはまりません。2人目、3人目……おっぱいの張り方は産めば産むほどに軽くなっていく傾向にあります。
張らなくても足りているいいおっぱい
母乳育児も2度目、3度目となると前回のようにおっぱいが張らないと「足りていないんじゃ?」と不安になることもあると思いますが、経産婦さんのおっぱいは無駄に張らないのに、赤ちゃんが吸うと必要量だけがその場で生産されて分泌されるという、とても燃費のいいおっぱいに、早期に変化する傾向があるので大丈夫です。
母体には、ちゃんと学習能力があるんだなぁと感心します。だから、1人目でおっぱいトラブルを繰り返していたママも、2人目、3人目ではトラブルなく順調なおっぱいライフを送れたりすることも多いです。どうか希望を持ってくださいね!
上の子がいるママは大忙し!
経産婦さんのおっぱいがあまり張らないのにはもうひとつ理由があります。どうしても上の子主体で動かざるを得なかったりと、産んだばかりでも安静にはできません。
里帰りで家事全部してもらって、赤ちゃんのことだけしていればいい1人目とは状況はかなり違います。2人目、3人目は産んだ直後からママは大忙し。なるべく休もうと意識したところでおっぱいが張っている暇もないのでしょうね。
それでも吸わせれば母乳はきちんと出ますから心配しないでくださいね。経産婦さん、本当におつかれさまです!
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。