今回は私の母の話です。
私が出産している間、夫の両親も私の母も産院に駆けつけてくることはありませんでした(私の父は他界)。夫の両親は遠方なのと、おそらく私がお産に集中できるよう気づかってくれたため。一方私の母はというと……。
「ママならぬ日々」

私と母は「べったり親子」とは程遠く、つかず離れずのドライな関係。
妊娠中も、「陣痛のとき夫が出張だった場合、お母さん来てくれる?」と聞いたところ、「仕事がなかったら行くね! 行けないときはひとりで産むんだよ!」とあっさり言ったくらいでした。
実際は母なりに張り切っていたらしく、ゆうべの私の余裕な感じから、生まれるとしても夕方くらいだろうと見当をつけ、それよりうんと早く産院にやってきました。ところが産院に到着したらすでにお産は無事終了。
母は平静を装っていましたがショックを隠し切れず、それから会う人会う人に「もー! 着いたら、生まれちゃってたのよ!」とテンション高めに説明していました。
◇ ◇ ◇
無事に出産を終え、ほっとしたのも束の間。駆けつけてくれた母との間に、思わぬ“すれ違い”が起きてしまいます。
タイミングのズレから生まれた出来事に、親子それぞれの思いが垣間見える今回のエピソード。母親としては普段クールに振る舞っていても、やはり娘が子どもを産む瞬間には立ち会いたかったのかもしれません。
出産という特別な節目だからこそ感じられる、親子ならではの距離感を描いたエピソードでしたね。
和田フミ江