生活発表会のはじめの園歌で息子は……
息子たちのクラスは、はじめのあいさつと園歌の担当でした。発表会前のクラスでは保護者に見守られながら、先生とクラスメイトで円陣を組んで「エイ、エイ、オー!」。そして私たち夫婦は先に会場へ。
開演しステージに上がる息子を見て、私はどんなふうに歌うのかドキドキしながら見つめました。すると、ピアノの伴奏のあと息子は張り切るあまり怒鳴るような声を上げて歌い始めてしまったのです。
怒鳴る歌声は会場の端までも……
私たち夫婦は会場のうしろのほうにいましたが、息子の声だとバッチリわかるくらい耳に届きました。そんな怒鳴るような声を響かせるものですから、となりのお友だちは息子を2度見、3度見……何回見たでしょうか……。
耐えきれないとなりのお友だちは耳を掻いたり、息子にツンツンしたりしていました。きっと、となりのお友だちは不快な思いをしていたと思います……。
息子の歌う姿を見て自分のひと言を憎む
息子は私との約束を守るべく、大きな声を出すのをがんばっていただけ……。息子は真面目そのもの。堂々たる姿で最後まで歌い切った息子は澄み切った表情をしていました。
息子たちがクラスに戻ったとき、私の説明の仕方が悪かったせいで息子が怒鳴るように歌ってしまった諸事情を先生にお話ししました。そして、となりにいた息子のお友だちとそのお母さまにも「ごめんね……」と謝罪。
息子の先生から温かいお返事が!?
後悔している私に先生は、「息子さんのその声のボリュームで緊張していたクラスメイトを引っ張ってくれましたよ」と逆にお褒めの言葉をいただきました。
その言葉に私は息子にさせてしまったことが、少しでもクラスメイトの緊張をほぐすことに役立てたならよかったのかも……と心が救われた気持ちになりました。
私は息子が張り切れるならという思いで伝えたことが、このような結果を招くとは思いませんでした。やはり物事の解釈には人それぞれ違いがあり、この件以来、私が実際に見せたり聞かせたりして、子どもがマネできるくらいわかりやすく伝えるようにしています。また、伝わり方にズレがないか息子に確認するようにもしています。
著者:古谷きょうこ/女性・ライター。2男1女の母。正看護師免許資格あり。育児休暇や隙間時間を利用し、ライターとして活動中。主に妊娠や育児、健康についてのジャンルを執筆している。
作画:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています