私が現在1歳になる娘をアメリカで出産したときの体験談です。出産したら母乳は出るものと思っていましたが、いくら授乳をしても泣き止まない娘の様子に母乳不足を感じました。医師や看護師さんに繰り返し相談しましたが……。産後の母乳不足感に対する病院スタッフの対応に関して、悲しい思いをした体験談をお伝えします。
産後の母乳不足感。医師に相談するも…
第1子出産後の入院中のことです。出産後すぐに授乳が始まりましたが、私には母乳が出ているという感覚がまるで感じられませんでした。試しにおっぱいを搾ってみても、ごく少量の母乳が乳首にうっすらと滲む程度。
母乳が足りていないのではと思った私は、回診にきた医師に相談。医師によると、「出産後すぐの母乳は少ししか出ないけれど、そのごく少量が赤ちゃんに必要な栄養のすべてだから大丈夫」とのことでした。
看護師さんにも繰り返し相談したけれど…
医師の説明にひとまず納得した私は授乳を続けていましたが、やがて娘はどれだけ長く授乳を続けても、おっぱいから離すと泣きだすようになりました。やはり母乳が足りずおなかが空いているのではないかと心配になった私は、看護師さんにも何度も相談をしてみました。
しかし、「生後すぐの赤ちゃんの胃の容量はとても小さいので大丈夫」「今はおなかがいっぱいでも泣く時期だから」と言われるだけ。娘はとにかくおっぱいから離したら泣くので、常に抱っこして乳首をくわえさせているような入院生活でした。
病院スタッフに対する不信感がMAXに!
アメリカでは通常、出産後2日で退院します。退院前の体重測定で、娘の体重が10%以上と大きく減少していることがわかりました。生後数日は赤ちゃんの体重は減るものの、10%以上の減少は危険な状態。結果、入院が延びることに。ここで初めて、母乳が不足しているから育児用ミルクを足しましょうと言われました。
私は、だから母乳が出ていないと何度も言ったのにどうしてもっと早く対応してくれなかったのかと、とても悲しく悔しい気持ちに。やはりおなかが空いていた娘は育児用ミルクをあげるとたちまち泣きやみ、体重もすぐに回復し、翌日には退院できることになりました。
あとから冷静になって考えてみると…
病院スタッフの対応に不満が残っていた私は、あとから知り合いの日本の助産師さんに聞いてみました。すると、むしろ産後すぐに赤ちゃんが満足するほどの母乳が出る人のほうが少なく、病院スタッフの対応も間違ってはいなかったと思うとのこと。
それを聞いて、当時の私は出産直後だったこともあり神経質になり過ぎていたかもしれないと思いました。しかし、あのころは何も知らず、ひたすら心配で仕方ない状態だったので、もう少し精神的な意味で母親に寄り添うケアをしてもらえていたら、こんなに悲しい気持ちにはならなかったのにとも感じました。
母乳不足の悩みに対して、入院中は医師も看護師も大丈夫と言うだけでした。初めての出産に神経質になっていた私には、スタッフの対応が冷たく感じられ、ひたすら悲しく不安になりました。肉体的なケアだけではなく、もう少し産後の不安な気持ちに寄り添った対応をしてくれていたら、こんなに悲しい思いをせずに済んだかもしれません。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師REIKO
著者:玉木理恵
1歳の女の子の母。アメリカ在住。翻訳家・ライターとして活動中。