こんにちは、保育士の中田馨です。1~2歳代の子どもは、「何でも自分でしたい!」という時期です。親にとっても、子どもが自分でできる経験を積み重ね、自信をつけてほしい時期でもあります。
今回は、この時期におすすめな「自分でできた!」が増える声かけとサポート術をお話しします。
「自分でしたい!」は自立への第一歩
子どもの「自分でしたい!」という気持ちの通りに、できる限り自分でさせてあげるのが理想です。とはいえ子どもに任せると、ママがするよりもはるかに時間はかかるし、ときには「大変だなあ」と思うこともあると思います。子ども自身も「こうしたい!」と思っていても、未発達な体をうまく動かせずにイライラしてしまうこともあるでしょう。でも、この「自分で!」と主張することが「自立」への第一歩なのです!
ママができることは、子どもが必要なときに必要な声かけとサポートをすること。「自分でできたぞ! やったー!」という経験をたくさん積ませて、子ども自信をモリモリと育てていきましょう。
子どもの気持ちに共感した声かけをする
子どもに声かけをするときに大切にしてほしいのは「共感」です。共感とは、子どもの目線に立って、子どもの感じていることをそのまま感じることです。共感することによって子どもは「ママは僕を見てくれている!」と分かり、自信を持つことができるので、心が豊かに育ちます。
具体的な声かけの例を見てみましょう。
ボタンをとめたい子がいるとします。まずママは、「自分でボタンをとめたいのね」と子どものしたい行動をそのまま言葉にします。できたときには「じょうずだね」ではなく、「ボタンとめられたね」とできた行動を具体的に褒めましょう。そうすることで「これでいいんだ!」と自信を持ち、さらに新たなことにチャレンジしようとする気持ちを育てます。
手を出したくてもグッとこらえて待つ
育児のコツとして、よく「子どもを待ちましょう」と書かれています。みなさんはどれくらい待つことができますか?
大人はどうしても、大人のペースで物事を進めようとしてしまいがち。でも、そのペースは子どもにとってはかなり早いのです。まずは、大人のペースと子どものペースは違うということを意識します。子どもが自分でしようとすると、大人がするよりも当然のことながら時間がかかります。ズボンを後前にはいていると、思わず「ママがやってあげる」と手を出していませんか。でも、突然手を出されると子どものやりたかった気持ちが萎縮してしまうこともあります。
きちんとできたかどうかではなく、自分でズボンをはこうとしているその体験が大切ですので、ここはグッと我慢します。もちろん「前と後ろ反対だけどはき替える?」と聞くのはOKです。もし、子どもが「これでいい」と思っているならひとまずそれでOK。はき替えるのは、次のトイレのタイミングでも構わないのです。子どものしていることを、ゆったりとした気持ちで見守りながら待ちましょう。
さりげないサポート術がカギ
「待つ」ことは分かりましたが、では、いつまで待てばいいのでしょうか。靴下をはきたいけれど、まだはけない子のことをずっと待っているわけにもいきません。そこで、少しだけさりげないサポートをしてあげましょう。
サポートする方法は2つあります。
1つ目は、子どもに気づかれないくらいのさりげないサポートをする方法です。ズボンをはくときにおしりまで上げにくい場合は、スッと後ろに手をまわして、子どもがズボンを上げるタイミングに合わせてさりげない力で引き上げます。
2つ目は「お手伝いしようか?」と声をかけることです。ボタンをとめたいけれどなかなかとまらない。そんなとき、「ママと一緒にしよう」と言うとイヤがることがありますが、「少しだけお手伝いしようか?」と聞くと、「うん」とすんなりOKが出ることが多いです。子どもはあくまで自分でしたいので、“ママと一緒”にはしたくないのです。
この2つのサポート術で子どもの「自分でできた!」という達成感を味合わせてあげ
ましょう。
自分の身の回りのことが自分でできるようになるのは、子どもの自信につながります。ママの声かけとサポートで、子どものこれから伸びていく力を育ててあげてくださいね!