文字が書ける友人たちのなかで…
娘が幼稚園に入園すると、一気に同い年の友だちの輪が広がりました。そこでびっくりしたのは、周りの子たちが年少にしてもう結構文字の読み書きができるということ。
娘はお喋りはかなり達者なほうでしたが、一方で文字にはあまり興味がなく、当時書ける文字はほとんどありませんでした。文字が書ける子たちは手紙を書くのが好きで、頻繁に手紙のやりとりをしているよう。娘にもよくいろいろなお友だちが手紙をくれたのですが……。
もらった手紙には返事を出すのがマナー?
文字を書くことにあまり興味のない娘は、手紙の返事を書くことにも興味がありません。しかし、大人の感覚では「手紙をもらったからには、返事を出すのがマナーでは?」と思ってしまい、私は何とか娘を説得して半ば無理やり返事を書かせていました。それでももらった手紙の数の半分程も返事を書くことができなくて……。
返事を書けなかったときは、手紙をくれたお友だちやそのママに「○○ちゃんはもうじょうずに文字が書けてすごいね~。うちの子なんか全然書けないからさ、お返事出せなくてごめんね」と、どこか娘を卑下するようなニュアンスで弁解してしまっていました。
いまだに文字を書きたがらない娘
今振り返ると、子どものやりとりなのだから手紙の返事を頑張って書かなくてもよかったし、絵を描くなど、何か別の方法でお返しをすればよかったのではないかと思います。
しかし当時は、「ひとりだけ読み書きができないことでバカにされたりしないか」「周りと同じように手紙のやりとりに参加しないと輪からはみ出してしまうのではないか」という心配が私にはあり、早く娘にも文字が書けるようになってほしいと思っていました。
また、成長と共に文字に興味が出てくるかなと期待していましたが、娘はいまだに読み書きに積極的ではありません。お友だちの誕生日に手紙を書こうと誘っても「ヤダ。できないから」とばっさりです。
私が無理やり返事を書かせたり、娘を卑下するようなニュアンスで謝罪したりしていたことで、文字に対してネガティブな印象を植え付けてしまったのではないかと思います。もっとおおらかに構えて、読み書きへの興味が自然に出てくるのを待つべきでした。今後娘には無理に文字の読み書きをさせずゆっくり見守っていきたいです。
監修/助産師 REIKO
イラストレーター/おもち
著者:澤崎 凪
1男1女の母。パーソナルカラーコーディネーターの資格を持ち、色彩関係、ファッション関係のほか、自身の体験をもとにした子育て関係のジャンルを中心にライターとして活動中。
自己肯定力が下がっちゃったね。