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イヤイヤ期はもう限界…専門家が教える回避方法!1日でも早くイヤイヤ期を脱出できる秘策とは?

高円寺こどもクリニックの院長で、3児のママでもある保田典子先生が、発達の視点からイヤイヤ期の乗り越え方についてお話ししてくれています。「イヤイヤ」の正体、イヤイヤを起こさせないための工夫や、早く卒業するためにできることなどについてマンガでわかりやすくお伝えします!

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師保田典子 先生
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
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こんにちは。3児の母で小児科医の保田典子です。わが家の子どもたちも例外なくイヤイヤ期が全員あり、1人目は1人目なりの、2人目は2人目なりの、末っ子は末っ子なりの大変さがありました。

 

今回は、発達の視点からイヤイヤ期の乗り越え方をお伝えしたいと思います。

 

イヤイヤ期の乗り越え方

イヤイヤ期の対処法

 

 

イヤイヤ期の対処法

 

“イヤイヤ期”の正体は…!?

2~3歳のイヤイヤ期、思春期の反抗期、どちらもその正体は「自己決定したい年ごろのジレンマ」です。すべてにおいてお世話が必要で、親がいてくれれば幸せだった時期が過ぎ、自分で考えて自分で決めたいけれど、まだうまく表現できない、まだうまく実行できない……そんな想いが子どもの中に渦巻いています。そのことを親が理解してあげて、厄介なイヤイヤ期に付き合ってあげてください。

 

 

イヤイヤを起こさせない工夫3つ

①子どもに選択肢を与える

イヤイヤの正体は「自己決定がしたい」なので、「イヤ!」を出さないために、子どもに「決定してもらう」という作戦があります。

 

「靴を履いてお出かけしよう」だと「お出かけしない」になるので、「青と赤、どっちの靴を履く?」と聞いてみるのです。この声かけだと、お出かけするかしないかはまったく会話に入らず、とりあえず履いたら出かけるとなり、お出かけしない、という選択肢をうやむやにできます。

 

②見通しをきちんと伝える

スケジュールがよくわからないと誰でも不安です。まだ自我が目覚めたばかりの子どもだと、余計にさまざまなことが不安になります。また、目についたものにすぐ飛びついてしまったりします。

 

今日のスケジュールをわかっている範囲で伝えてあげると、落ち着くことがあります。そのとき、言葉で言うだけでなく、絵を使うと伝わりやすいのです。お店に行ったときに「今日は、お菓子は買いません」と店に入る前に伝える、というのも見通しを伝えることです。

 

③時間には余裕をもって!

イヤイヤは突然発動します。子どものイヤイヤは早く対処しようとすればするほど泥沼になることが多いので、スケジュールは入れ過ぎず、時間に余裕をもって行動するようにしましょう。

 

とはいえ、わが家は時間を持て余してしまうと大変だったりするので、「余裕と持て余すのをどちらも良い感じにする時間配分」にすごく気をつかって行動していました。

 

イヤイヤになってしまったら…

①答えを求めない

イヤイヤしているときに、「結局どうしたいの?」と言っても興奮している子どもには逆効果です。おもちゃを選んでもらうときなども、イヤイヤしているときに「買ってあげるよ、どっちがいいの?」と言っても火に油なことがあります。

 

イヤイヤが発動してしまったときは、とりあえず「そっか、こう思っていたんだね」と気持ちを代弁してあげて(その代弁した気持ちが正解でなくても問題ありません)、ギュッと抱きしめてあげてみてください(ちなみに、ギュッとされると大人でも気持ちが落ち着く効果があるそうですよ)。

 

②待つ

イヤイヤが発動したら、とりあえず落ち着くまで待つしかありません。

 

③時間がないときは力技で!

待つ時間がないときは、子どもに根気よく付き合うことなく、泣く子どもを抱えて帰宅したり、とりあえずベビーカーに乗せて移動してしまうこともありました。ギャン泣きのまま人の目に晒されることにはなりますが、実はそんなに長い時間は続かないことが多いものです。

 

 

イヤイヤを早く卒業するために

イヤイヤの正体は「自己決定したい」、「うまく表現できない」ということが主体なので、表現ができるようになってくると落ち着いてきます。つまり、言葉をうまく使いこなせるようになると減る傾向にあるのです。

 

イヤイヤになってしまったら①で書いたように、「〇〇なんだね」、「〇〇って思っていたんだね」と声をかけたり、「ママは〇〇されると悲しくなっちゃう」などパパやママ自身も気持ちや、やりたいことを表現してもらうことで、どんな場合にどんな表現をすればいいかを学びます。

 

言葉のキャッチボールも大切ですが、会話ではなくオウム返しになるような言葉もどんどんかけてあげましょう。絵カードなどを使って気持ちややりたいことを表現できるようになるのもいいですね。

 

生活の主導権は親が握ろう!

子どものイヤイヤがひどいと、なんとか早く終わらせたくなってしまって、子どものワガママの言いなりになってしまうことがあります。たとえば、お店でお菓子を買ってあげてしまったり、見せる気のないタブレットを見せてあげてしまったり。

 

しかし、そうすることで解決するのはほんの一瞬です。子どもは「こうすれば親は〇〇してくれる」と学ぶとどんどん要求がエスカレートして、のちのち大変になってしまうことがあります。

 

ワガママを聞いてあげるときと、絶対に聞かないときを親できちんと決めて、「生活のコントロールしているのは親」であることをわかってもらうことが大切です。こうすることで、お菓子や娯楽ではなく、“自分で自分のご機嫌をとる”ということを覚えるのです。

 

ただ、本当に困ったときはお菓子などを使ってもいいと思っています。これも、できればその日のスケジュールを決めたときに「ここでイヤイヤが発動したらお菓子を使う」など、親の中で事前に使うタイミングを決めておくのがおすすめです。

 

イヤイヤ期は大変な時期ですが、過ぎてしまうとめちゃくちゃかわいい時期でもあります。子どものしょうもない言動を少しでも楽しみながら乗り越えましょう!

 

 

作画:山口がたこ

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