うぉえっ! 今話題の授乳中に気持ち悪くなる「不快性射乳反射」って?

助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、Youtubeなどでも話題になっている「不快性射乳反射」についてお話ししてくれました。悩んでいるママに向けて詳しく解説!

この記事の監修者

助産師榎本美紀
国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー

2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。

授乳中に気持ち悪くなる女性のイメージ

 

授乳中は愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンの効果で、幸せな気持ちになるといわれています。その反面、授乳中の不快な症状で授乳が辛く感じる方もいます。今回は、この不快性射乳反射のついてのお話です。

 

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不快性射乳反射って何?

普段はなんともなく元気なのに、授乳の直前や授乳中に不安感や落ち込みなどを感じる人がいます。これは「不快性射乳反射」といい、授乳に関係するホルモンの変化で起こると考えられています。
 

不快性射乳反射とは、D-MER(Dysphoric milk ejection reflex)ディーマーとも呼ばれます。
 

最初にD-MERが定義されたのは、2007年と最近で徐々に知られるようになってきましたが、助産師でも知らない人もいるようです。母乳育児をしている女性の9%くらいがD-MERで困っているという調査結果も出ています。
 

これは、ママの育った環境や分娩の体験などは、影響しないといわれています。
また、その不快感は母乳を与えている間のみに起こり、産後うつであったり、母性が足りないなどということは全く関係ありません。そして不快感の程度も、ギリギリ耐えきれるという人から、不快感が耐えがたく全く授乳ができなくなったりする人もいます。


一部のママになぜ起こるのか、明確にはわかっていませんが、一説としては、母乳分泌を促すプロラクチンとドーパミンが関係していると言われています。授乳の際には母乳を多く作り出すため、体内のプロラクチンレベルが上がり、一時的にドーパミンレベルが適切に下がりますが、D-MERの場合はドーパミンレベルの下がり方がうまくいかず不安定になり、不快な気分が引き起こされていると考えられます。
 

どういう症状なの?

D-MERは主に母乳の射乳前後のみに起こる不快感の総称です。母乳育児中の母親の射乳反射(おっぱいが胸の奥から沸いてくる反射)の30〜90秒前に出現し、背中がぞわぞわする感じ、冷や汗、不安感、形容し難い不快感、焦燥感、めまい、吐き気、胃の不快感、悲しみ、恐怖、気分の落ち込み、緊張、感情的な動揺、イライラ、絶望感、否定的な感情の現れなど射乳反射のたびに繰り返される不快症状です。


不快感や落ち込みの度合いが軽度~中等度であれば、不快性射乳反射は最短3カ月で遅くても9カ月目ごろまでには、自然に落ち着くことが多いといわれています。その一方で、強い場合は1年以降まで続くこともあります。
 

また、授乳を続けていると、数分で症状がおさまるようになる人もいます。長期に授乳していると症状は続くけど、程度がだんだん軽くなると言う人もいます。
このように個人差はかなりあるようです。

 

対処法は?

まずはD-MERについて知ることが大切

授乳のときに気持ちが落ち込むのはママのせいでは決してありません。一時的に起こるホルモンの変化に体が反応しているだけで、本人の意思とは関係なく起こります。赤ちゃんに愛情がないわけでも、産後うつなど病気であるわけではないので、自分を責めなくても大丈夫です。知っているだけでもだいぶ気持ちがラクになります。

 

D-MERについて日々記録してみよう

以下の様子についてメモや記録をしてみましょう。傾向をつかむことで対応しやすくなります。


 ・授乳中の症状
 ・時間帯
 ・症状が出た時に試したもの、その感想
 ・授乳する前に口にした食べ物や飲み物(水分摂取、カフェイン摂取など)
 ・授乳した時の疲れ具合やストレスはどうだったか
 ・不快感や落ち込みはどのくらい強かったか
 ・その他気づいたこと

 

母乳外来で相談してみよう

今の辛い気持ちを、助産師に話すことでもラクになることもあります。
D-MERの症状が続き、苦痛なママはときには断乳を選択することもあります。急に育児用ミルクに切り替えることによって乳房トラブルになることもあるので、断乳の進め方や断乳ケアを相談すると安心です。


授乳をしない・できないことで赤ちゃんに申し訳なく後ろめたい気持ちになることもありますが、自分を責めることは全くなく、育児用ミルクを選択しても問題ありません。ママが笑顔で育児ができることが1番です。

 

症状を軽減するコツを試してみる。授乳をやめなくても大丈夫な場合も!

D-MERの症状が出ても、なんとか母乳育児を続けたいと思っているママもいます。まずは対策を試して改善があるか様子をみてみます。
経産婦さんでも、お子さんによってはD-MERが出なかった、直接授乳はダメだけど搾乳なら大丈夫などという事例もあります。


D-MERを軽減させる方法として、以下のようなものがあります。

 

・家族に協力してもらい、休息をとるようにする。

育児や産後の疲労やストレスにより出やすいこともあるようです。
・カフェインをひかえて水分をとるようにする
・授乳中に何かを飲んだり食べたり、テレビや音楽で気をそらすようにする
・ハンカチやタオルなどを掴みながら授乳してみる
・直接母乳ではなく搾乳をあげる。搾乳機と手搾乳でどちらが大丈夫か試してみる

 

海外では、内服薬で改善させることもあるようです。
授乳の時の不快感が変わるかどうか試してみてください。試すうちに、不快感を減らすコツがつかめることもあります。


授乳中に不快な気持ちになるということを、母親として問題なのではないかと、周りに話せずに辛い思いをされている方がいます。断乳を選択された方が、赤ちゃんに対して後ろめたい気持ちで苦しんでいるママもいます。不快性射乳反射というものがあるということを知ることで、今症状に悩んでいるママやその周りの家族が少しでもラクになれたらいいなと思っています。
 

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