長男の育児
産後の親の時間も重視しているフランスでは、赤ちゃん中心の生活ではなく「赤ちゃんが親の生活に合わせるもの」という意識があります。生後間もない子でも家族や友人のパーティーに同伴し、大きな音楽の音のなか、ベビーカーですやすや眠っています。
しかし、私は「騒音のなかで赤ちゃんを育てるなんて考えられない!」と長男が生まれてからは生活音を避け、テレビは観ず、音楽を聴く場合はクラシック。長男が眠れば部屋の明かりを落とし、夫婦の会話もコソコソとするほど徹底していました。
大きな音を怖がり泣いてばかりの長男
長男中心の静かな生活は、親の私たちも自分のライフスタイルを大幅に変えないといけなかったので、結構なストレスを感じていました。また、フランスでは産後でも家族や友人の集まりに赤ちゃんを連れて参加することが多いのですが、静かな環境に慣れている長男は大きな音に敏感で怖がり、大泣き。
大きな音をよそにお昼寝をしたり楽しく遊んでいたりする他の子どもたちのそばで、長男はママやパパのそばから離れず怯えているのです。外出するたびに、私は「赤ちゃん中心の生活にしすぎると、親が疲れてしまうな……」と深く感じていました。
ぐっすり眠る生後2カ月の次男
そして現在、2歳の長男と一緒に生活しているため、静かな環境からはほど遠い、賑やかな環境のなかで育っている次男。次男の生活リズムは、完全に親や長男に合わせています。そのせいか、大勢のなかで怯えていた長男とは反対に、外出先での大きな音楽や笑い声のなかでも次男は平然と眠っているのです!
そのため、親の私たちも友人や家族とその場を楽しめるように。私は「ある程度の生活音に赤ちゃんも慣れていかないといけないのだな」と感じました。
私の場合、長男のときは子どもの環境を作るために少し徹底しすぎていたかもしれません。次男が生まれ、ただ普通に生活をしているだけなのですが、こんなにも生後間もない時期の2人の反応に違いがあるとはと驚いています。騒音は避けたいですが、普通の日常生活音は一緒に暮らしていく上で、親や赤ちゃんにとって必要なことだと学びました。
監修/助産師REIKO
イラストレーター/まっふ
著者:岩見 エリ
2男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。