大好きな子どもたちと迎えた40歳の誕生日
飯田さん:ありがとうございます。いつも自分たちがお祝いしてもらっているから、ママのお誕生日はボクたちも何かやりたい! ということで、パパとこっそり相談してくれたみたいです。でも、下の娘は「ママに内緒なんだけど、私、ママのお誕生日のお飾り作ってるんだ~」って言ってきて(笑)。1週間くらい前から、「ママのお誕生日だね。ママを喜ばせたーい! 」ってすごい楽しみにしてくれていましたね。
ー事前にネタバレしてしまったのですね(笑)。それでもうれしいですよね。
飯田さん:そうですね。だから「ママのお誕生日も、ママのお料理食べられると思ってる? その日はお料理しないからねー」と話したら、「そっかぁ! 」って言ってました(笑)。
ーママのお料理が大好きなんですね。Instagramにもおいしそうなお料理やお弁当の写真が多いですね。もともとお料理することは好きだったのでしょうか?
飯田さん:好きですね。15歳から1人暮らしだったので、上京してからずっと自炊しています。15歳ってちょうどぽっちゃりしやすい年ごろじゃないですか。当時はすごく厳しいマネージャーさんで、「自己管理できずに売れなくなったら北海道に帰ってください」と言うような教育だったので、せっかく頑張ってアイドルになれたのにっていう思いで、体型キープのための自炊でした。Instagramでは、私物や私服を見せてほしいというお声もあるんですけど、もう毎日慌ただしくて……。あっ! て気がつくのがお料理が出来上がったときなんです。本当は完成度の高いものを載せたいんですけどね。毎日のことなのでなかなか……。でも日常の雰囲気を見せられて良いのかな。「かおりんのインスタ見てメニュー決めてるよ」ってお声を聞くと、あぁ良かったと思いますね。
ママの真面目さ故に試行錯誤の育児
ーデビュー当時から真面目で努力家のイメージがあったので、子育てに対しても真面目に取り組んでいらっしゃるのかなと想像していました。実際はいかがですか?
飯田さん:子どもときちんと向き合うように心掛けているので、少し口うるさいかもしれないです(笑)。真面目すぎるかなって思う時もあるんですけどね(笑)。特に上は男の子なのですが、私のなかではちょっと手こずっていますね。今朝も家を出るのが少し遅くなって、持ち物も確認しないで走って家を出ようとしていて、忘れ物を3つもしていたんです。なので、「持ち物をちゃんと確認しなさい」って言ったり、「焦って車にひかれないように」って言ったりするのですが、でもあんまり言い過ぎもよくないかなぁ? と考えたりもする日々で……。頭を抱えることが多いです。
ー男の子と女の子では違いますか?
飯田さん:私自身が姉妹の長女ですし、モーニング娘。になってからずっと女の子の世界で活動してきたので、男の子のことは理解不能なんです(笑)。娘の育児は、私も同じ女ですし、後輩たちも育ててきているので、言い方や考え方を理解できてラクに感じているのかもしれないです。息子の子育ては、アクション映画を常に体感している感じですかね(笑)。かわいいところもたくさんあるんですけどとにかくやんちゃで! もうちょっと型にはめずに子育てしてもいいと思うんですけど、抜けているなと感じる部分を今のうちに直しておくのも親の責任なのかな!? って思うと、私の真面目さ故に朝からどんよりしてきちゃいます(笑)。
ー子育てをしていて大変なことはどんなことですか?
飯田さん:今、すごく悩んでいるのは、子どもが困っているときに、どういうふうにアドバイスしたらいいのかなっていうことですね。例えば、お友達と喧嘩しちゃったり、嫌なことを言われたときとか。私たちの時代とは違うから、どんなアドバイスが正しいのか、正直よくわからないんです。私もこういう性格だから、なるべく子どもの力になりたくて、なんて言ったらいいんだろう? って調べたりしちゃうんですけど、主人は、「子どもは子どもなりの力を持っているんだから、自分で改善するから大丈夫だよ」と言うんです。それもそうだけど、親心としては、嫌なことがあったのに、そのままにしておくのも気にかかるんですよ。
ーまさに現在進行形、試行錯誤の最中ということですね。
飯田さん:そうですね。今日は大丈夫かなって後ろをついて行きたい気持ちを、ぐっと我慢したりするんですけど(笑)。子どもの力を信じて任せていいのか、子どものことを理解したうえでアドバイスしてあげたらいいのか、さじ加減がわからないですね。
コロナ禍は家族で有意義な時間を持てるように
飯田さん:まさに、うちもそうでした。旅行にも行けないので、これはいい機会だと目標を立ててみたんです。息子はサッカー少年で、スイミングを習う機会がなかったんですけど、学校の水泳教室までに何メートル泳げるようになるって目標を決めて、スイミングの夏期講習やプライベートレッスンを入れたんです。元々カナヅチだったんですけど、ガッと集中して通って、23メートル泳げるようになりました! あとは、まず朝起きたらお勉強をして、それが終わってから一緒にサッカーの練習をする計画を立てました。娘は娘で、お兄ちゃんが英語を勉強しているのを横で聞いていたり、隣で動物図鑑を見たりして、この夏休みに英語や動物の名前をすごく覚えたんです。目標を決めてやってみると、塾などに通わなくても、兄妹2人同時に成長できるんだなと実感しました。
ー素晴らしいですね! とても有意義な夏休みです。
飯田さん:なんだかんだ2カ月弱あった夏休み、予定がない日が1日もなく、ハードでしたが良い時間の使い方ができました。またおもしろかったのが、息子に「お兄ちゃん、ちょっと教えてあげて」とお願いして息子から妹に折り紙を教えてもらうようにしたんですけど、妹ができるようになっていくのを見て「わぁ!すごいできるようになってる!」と息子がすごく喜ぶんですよ。そういう兄妹の関係も良いなって。私の自分時間は1ミリもなかったんですけど(笑)、こういう時間の使い方もすごく良いなと思えた夏休みでした。
ー目標や計画を立てて過ごすおうち時間のために、何か工夫したことはありますか?
飯田さん:これは私もそうなんですけど、息子に夏休みが始まる前に、目標を書いてもらったんです。私、野球が大好きなんですけど、大谷翔平選手が高校生のときに、なりたい自分を表に書き出して、そうなれるように1個1個努力していたとインタビューで仰っていたんです。さらに大谷選手のすごいところは、当時のその表に書いてあったことを全てクリアしているんですよ。やっぱりこうして1個1個目標を定めていたからこそ大活躍されている今があるんだなと思い、息子にも「目標を書いてごらん」って言いました。まあ、小学生の息子はまだ、書いて完結してしまったり、「あの紙どっかいっちゃったー」ということもあるんですけどね(笑)。
ーそれではコロナ禍を通して、これまでの家族の生活に変化などはありましたか?
飯田さん:以前は子どもが幼稚園や習い事に行ったら、先生に全て教えてもらえるんだと思っていたんですよね。でも、ずっと一緒にいると、習っているはずのことを覚えていなかったりとか、すごく見えてくるんです。私もリモートのお仕事が増えて、家庭に向ける時間が今までより作れるようになったこともあり、「よし、教えるぞ!」っとやる気がでまして。また、子どもたちも、親の持っている知識を知りたいみたいなんですよね。例えば、息子は食べるのがすごく好きなんですが、食べ物に何の栄養があるのか知りたいようで、「サッカー強くなりたい! 足が速くなりたいから、筋肉になる食べ物教えて」と言ってきたりして。食事って、食べておなかいっぱいになってごちそうさまって、それで終わりといえば終わりじゃないですか。でも、こうやって一緒にいる時間が長くなったことで、食事からもいろいろ会話が生まれるなと気付きましたね。「この食べ物はこんな栄養があって、これで筋肉になるんだね」とひと言プラスするだけでも、かなり違うと思うんですよ。ただ食べるより、そうやって食べ物の知識などを盛り込みつつ、楽しんで食べたほうが楽しいじゃないですか。そういう知識や楽しさを、コロナ禍によって家族みんなで掘り起こしていけるようになりましたね。
飯田圭織さん、この度はどうもありがとうございました! インタビューを通して飯田さんの一生懸命さや真面目さが伝わってきたのと、お子さんからもすごく愛されているんだなと感じました。インタビュー後編となると次回の配信では、息子さんの小学校受験についてお話ししていただきました! ぜひ次回もチェックしてくださいね。
PROFILE:飯田圭織さん
1981年8月8日生まれで北海道出身。1998年モーニング娘。1期生としてデビューし2代目リーダーを務めた。2005年グループ卒業後ソロに転身し歌手、タレントとして活動。2007年には結婚を発表し、現在は男の子と女の子の2児のママとして育児にも奮闘中!