小学受験は、目からうろこの幼児教室からスタート
飯田さん:きっかけは、小学校受験するお友達が幼児教室に通っていて、受験は考えていませんでしたが、子どもにどうやって教えるんだろうという興味があり、一度体験に行ったんです。そうしたら、もう私が目からウロコで! やっぱりプロの先生の教え方がおじょうずで、これはすごく子育てにも役に立つなと思いました。あとは、息子がすごく楽しそうだったんです。「僕お勉強楽しい! 行ってみたい! 」と言ったのが第一でしたね。受験するしないは後で決めてもいいから、お教室通ってみようか、というスタートでした。
ー目からウロコだったのは、どのような教え方だったんですか?
飯田さん:子どもと同じ目線で教えてくださるんですよ。例えば、ネコの絵を出して「これはイヌだよね」って先生がわざと間違えるんです。子どもたちは、すっごく楽しそうに「違う違う! イヌだよ~! 」と言って、先生に教えてあげようという気持ちから、たくさん学ぶんですね。あぁ、すごくいいなって。私も家でやってみようと思って、「ママ疲れたから歯磨きしないで寝よう~」ってわざと言ってみると、「え! ダメだよ、虫歯になるよママ! 」って自分で言うから、「はい、言ったよね、じゃあしようね」と。幼児教室が親の成長にもなりました。
ーパパは、幼児教室や受験に対してどのようにお考えだったのでしょうか。ご夫婦で話し合ったりしましたか?
飯田さん:主人はしばらくは、「受験はかわいそうだよ。早いよ」と言っていたんです。でも、息子本人が楽しんでやっているということと、受験するもしないも、結果が良くても悪くても、そこまで頑張ったことは無駄にならないよねっという話をして、やれる範囲でやってみたらとなりました。娘が生まれたばかりだったので、私が連れて行けないときに、主人に連れて行ってもらったら、主人がなんだかすごくノリノリで帰ってきたんです。やっぱり私の報告だけじゃなくて、自分の目で子どもが頑張る姿、できるようになる姿を見て変化していったんだと思います。
負けず嫌いな息子を元気づけるのが一番のサポート
ー息子さんご自身は、受験をどういうふうに捉えていらっしゃったのでしょう。
飯田さん:息子は5月生まれで、それまでは同学年の中でもできることが多くて、ちょっとお兄ちゃんタイプだったんですね。でも幼児教室に行って、できなかった自分がすごく悔しかったんでしょうね。男の子特有の負けず嫌いな気持ちに火が付いたという感じなのかな。一番になりたい、よし行くぞ! ってやる気が出たんだと思います。
ー諦めたくない、もっとできるようになりたいっていう強さは、ママの印象にも重なりますね。
飯田さん:うちの家庭はすごく息子といっぱい話をするので、私がモーニング娘。で培った諦めない気持ちとか、目標を定めて達成する、達成するまで諦めない! みたいなハングリーな部分は、息子にも受け継いでいるのかな。
ー小学校受験の準備ってどういうことをされるのですか?
飯田さん:私自身はお受験を経験していないので知らなかったのですが、今は素敵な幼児教室がたくさんあるんですよね。私の場合は、すごく信頼できる先生に出会えて、学校もさまざまなタイプがあるので、まずは目で見ることが重要と教えていただきました。娘も小さかったんですけど、いろいろな学校の説明会や学園祭に足を運びました。やっぱり実際に目で見ると、どういう方向性が息子に合うのかわかってくるんですよね。
ー息子さんの受験のサポートで、飯田さんが意識していたことはありますか?
飯田さん:やっぱり、子どもといえどもプレッシャーはかかるし、その数時間で100パーセントの力を出し切れるかというと、なかなか難しいじゃないですか。だから、風邪をひかないようにごはんを食べさせる、あとはとにかく自信をつけさせる。ダメだったことで全部のテンションが落ちちゃうと良くないなと自分も反省したことがあったので、ぐっと言いたいことを堪えて「大丈夫! できるよ! 先生があなたを見たら、この学校に来てくださいって言っちゃうんだから! 」って、子どもを元気づける、これが一番重要だったかなと思います。
自分より大事な存在を守る育児、楽しんで悩もう
ー子どもがいるっていいなと思えるのはどんなときでしょう?
飯田さん:。皆さんもそうだと思うんですけど、自分は1日中休めなかったり、エステや美容院やお買い物など、やりたいことをぜーんぶ我慢して子育てをするじゃないですか。私も子どもを持つ前は自分中心の生活で、自分磨きがすごく好きだったのに。今は鏡も見ないで出かけてきちゃった! とか、しょっちゅうですね(笑)。でも、自分よりも大事な存在ってこういうことなんだなって。それを守っていくということは、ものすごくかけがえのないことなんだなと、日々感じていますし、子ども達の存在がすべての原動力になっています。
ー子育ての中で大切にしていることがあれば、教えてください。
飯田さん:お勉強も大事だし、いろいろ大事なことはあるけど、人を大切にすること、人を思いやること、これは子どもたちに第一に言っています。私自身、やっぱりモーニング娘。の仲間やお友達関係から生まれる絆は一生大事にしたいと思っているので。「お父さんもお母さんもお兄ちゃんも妹もお友達も、みんなずっと大事」と何度も何度も言ってますね。でも今、コロナ禍でなかなか直接人と接することができないですよね。お友達を招待して、お誕生日パーティーをしたり、遊ぶ約束もしたいんですけど、一定の距離を保たなければいけない。なんだかちょっとかわいそうだなと思ってしまいます。
ーそうですね。最初仰っていた、娘さんができるようになったときに、息子さんが一緒に喜んであげていたお話は、そういう教えからなのかなと思いました。
飯田さん:そうだとうれしいですね。妹もお兄ちゃんのサッカーに一緒に行って、「お兄ちゃん! 頑張れー!! 」って一生懸命応援してます。お互いを大事にして、お互いの頑張りを認め合える兄妹になれているんだったら、私はすごくうれしいです。
ー子育てを始めたばかりの新米ママのころと今では、どのように変わりましたか? ふたり育児も経験されると、肩の力は抜けるものでしょうか?
飯田さん:肩の力は……抜けないですね(笑)。でも、まぁ冷静でいることが重要だとわかってきました。例えば子どもがお熱を出しても、息子のときは夜間救急に電話して相談したり、夜中にちょっと咳をしただけでも目が覚めて、スマホで調べたりという感じだったんですけど。ただ、その時にお母さんも体調を崩してお世話ができないという経験もしたので、今は少しでも寝ておこう! と思えるようになりました。常に冷静に、先々を見て考えようって。経験ですね。あぁ、でもそういう意味では肩の力、少し抜けてきているかもしれないです。
ー最後に、これからママになる方、なろうとしている方にメッセージをお願いします。
飯田さん:私ももう8年目で、いろんな経験をしてきました。ママになって子どもを育てるってすごいことだけど、自分のお母さんも経験しているし、隣のおばちゃんも経験しているし、すごく特別ってことではないと思うんです。悩んだり戸惑ったりすることもたくさんあると思うんですけど、その一つひとつを楽しんで、わが子と向き合っていければ、お母さんとしても良い時間を過ごせると思うので。うん、楽しんで悩んでくださいって思います。私自身も、楽しんで悩めたら素晴らしいなと思っています。
この度はお忙しいところ、インタビューのご協力どうもありがとうございました! お話しを聞いていると、すごく子育ての熱意が伝わってきて、とても聞きごたえのある素敵な取材でした! 最後の「楽しんで悩んでください」というメッセージも飯田さんが言うからこそ説得力があると思いました! 子育ては大変なことも多いと思いますが、飯田さん自身も、かわいいお子さんとの日々を悩みながらも楽しんでくださいね。
PROFILE:飯田圭織さん
1981年8月8日生まれで北海道出身。1998年モーニング娘。1期生としてデビューし2代目リーダーを務めた。2005年グループ卒業後ソロに転身し歌手、タレントとして活動。2007年には結婚を発表し、現在は男の子と女の子の2児のママとして育児にも奮闘中!