初めての子にすべてが全力だった新生児期
私は約4年前、男女の双子を出産。出産前は暇を持て余し、「早く生まれてこないかな~」とのん気に構えていました。しかし実際に生まれると、想像以上の過酷な育児生活が始まりました。つらかったのは母乳育児がなかなか軌道に乗らなかったこと。
子どもたちが母乳をうまく飲めないので粉ミルクを併用。そのため哺乳びん2人分を洗浄・消毒し、ミルクをあげると搾乳、そして搾乳器の洗浄・消毒に時間を取られ、休まる暇もなく次のミルク……というサイクルが24時間続きました。
休まらない育児に過労死寸前
そのころは産後で精神的にも不安定だったこと、うまくミルクを与えられないストレス、すべてを全力で取り組まなければという強迫観念で、心身ともに疲弊していきます。粉ミルクのお湯は1ミリの狂いもなく目盛り通りに作り、夜は明かりを点つけない暗い部屋でミルクを与えていました。加えて交互に泣くので朝までエンドレスに一生懸命対応。
睡眠不足から「このままでは体が壊れてしまう……」とすら思うようになり、今思うとこれは過労死寸前の精神状態だったと思います。終わりの見えない睡眠不足の毎日に、未来への絶望感しかありませんでした。
手を抜いて自分をラクにしてあげる大切さ
そんな生活に限界を感じた私は、それまで気を付けていたルールに少しずつ手を抜く努力を始めました。育児書では、夜はスマホやテレビはつけないほうがよいと書かれていましたが、夜間のお世話や泣いているときはテレビをつけ、ドラマやお笑い番組を見て息抜きをすることに。すると、それまで長くつらかった時間がとても短く感じ、精神的にラクになった自分に気が付いたのです。
「これをしてはダメ」というルールでガチガチに固めていた自分の考え方をほぐすことで、こんなにもストレスが軽減するのかと驚きました。夜泣いていても「朝まで起きていよう!」と開き直ることで心がラクになりました。
初めての育児はどうしても力が入り頑張りすぎてしまい、周りに「もっと手を抜いていいんだよ」と言われても、どうやって抜いていいのかわかりませんでした。その中でも少しずつ自分の心地いい方法を探ることで、つらい時期を乗り越えることができました。育児は大変だからこそ頑張りすぎないことが大切だと学べましたし、今では良い体験だったと思います。
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イラストレーター/ライコミ
監修/助産師 松田玲子
著者:村上 素子
3歳の男女双子のママ。ドタバタな育児生活と並行し、フリーライターとして活動中。
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