2021年に生まれた赤ちゃん約12万人の名前を大調査しました! 赤ちゃんの名前ランキング、よみランキング、漢字ランキングのTOP10をご紹介します。今年で12回目となる赤ちゃんの名前ランキング。気になる2021年の結果は!?
【名前】男女どちらにも名づけられる「ジェンダーレスネーム」が2021年のトレンド
赤ちゃんの名前ランキングTOP10
近年、性差にとらわれない「ジェンダーレス」という言葉に関心が集まっています。2030年までの長期的な指針として採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の中には「ジェンダー平等の実現」も含まれ、企業がジェンダーレスを掲げた商品を発表し話題になったほか、今年9月30日には内閣府男女賛同参画局から「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査結果」も発表され、社会的にジェンダーに対する取り組みが多く見られるようになりました。
近年の赤ちゃんの名づけの傾向でも、「男らしさ」「女らしさ」といった性差を感じさせない”ジェンダーレスネーム“が多く見受けられます。今年はとくに「碧(主なよみ:あおい、あお)」の伸びが如実に見られました。男の子の名前ランキングで7位、女の子の名前ランキングでは48位にランクイン。男の子は昨年の19位から、女の子は昨年の79位から順位を上げました。
さらに今年ランクを上げた注目のジェンダーレスネームは、「凪(主なよみ:なぎ、なぎさ)」と「翠(主なよみ:すい、みどり)」でした。「凪」は男の子の名前ランキングで19位、女の子の名前ランキングでは24位。男の子は昨年の24位から、女の子は昨年の27位からランクアップしました。昨年から社会現象を巻き起こすほどのブームとなっている『鬼滅の刃』の人気キャラクター「冨岡義勇」が使う技の名前が「凪(なぎ)」ということも人気アップの影響となっているのかもしれません。
「翠」は女の子の名前ランキングで55位にランクイン。昨年の圏外から大きく順位を上げました。男の子は昨年に引き続き順位は圏外であるものの、昨年に対して件数が3.1倍になりました。
ジェンダーに対する社会的関心の高まりから、“ジェンダーレスネーム”も今後より人気が高まっていくことが期待されます。
<男女別の傾向>
男の子の名前ランキングTOP3は、1位「蓮」、2位「陽翔」、3位「湊」でした。「蓮」は2018年から4年連続1位を達成! 圧倒的な人気を誇っています。「陽翔」は昨年の3位からひとつランクを上げ2位に。8位の「大翔」、10位の「結翔」と、TOP10に入っている”と止めネーム“の止め字はすべて「翔」でした。「湊」は、今年は3位にランクイン。2015年からTOP3常連の名前でしたが、昨年は5位に。今年はTOP3に返り咲きました。
女の子の名前ランキングTOP3は、1位「紬」、2位「凛」、3位「陽葵」という結果に。一昨年は4位、昨年は2位と着実に人気を伸ばしていた「紬」が初の首位に輝きました! 「紬」を始め、2位の「凛」、昨年9位から5位に浮上した「澪」、10位の「莉子」など古風で日本的なイメージを持つ名前がTOP10に多く入り、昨年に引き続き”レトロネーム“の人気の高さがうかがえます。
(※)「凛」と「凜」は同じ「りん」とよむ名前ですが、漢字のつくりの下部分が「示」か「禾」で異なる異体字です。旧字体の「凜」が先に人名用漢字に追加され、新字体の「凛」は2004年に人名用漢字に追加されました。ベビーカレンダーの調査では、どちらも人気が高い名前であるため、分けて集計しています。
「椛」「ふうな」”五輪ネーム”増加! 注目は新競技スケートボードメダリスト
この夏、日本は計58個のメダルを獲得し、メダル獲得数ではアメリカ、中国に次ぐ3位に。メダルラッシュに沸きました。今年の赤ちゃんの名づけでは注目競技である「スケートボード」メダリストの名前が増加! “五輪ネーム”の人気がアップした結果となりました。
日本中を熱くさせた新競技「スケートボード」の女子ストリートで、日本史上最年少記録となった13歳で金メダルを獲得した西矢 椛(もみじ)選手と、銅メダルを獲得した中山楓奈選手。西矢選手と同じ「椛(もみじ)」の件数は昨年から2.4倍に。「もみじ」というよみの件数も、昨年から1.7倍になりました。また、中山楓奈選手の「ふうな」というよみの件数は、昨年から1.6倍になりました。「楓」という漢字も、漢字ランキングでは昨年49位から今年は41位とランクを上げました。
「椛」も「楓」も美しい紅葉をイメージさせることから、例年11月に増加する傾向がありますが、西矢選手、中山選手の影響も相まってこれからさらに増えることが予想されます。
【よみ】男の子「りく」の人気がアップ。女の子は「えま」「みお」と男女共に2音よみの人気が上昇
名前のよみランキングTOP10
男の子の名前よみランキングTOP3は、1位「はると」、2位「りく」、3位「みなと」でした。根強い人気を誇る「はると」が今年も頂点に立ち、2018年から4年連続で1位に! 2位との差も461件とTOP10の中でも圧倒的な数字で”と止めネーム“の代名詞のよみと呼べるでしょう。3位の「みなと」、4位の「あおと」、7位の「ゆいと」、8位の「ゆうと」と、昨年に引き続き”と止めネーム“がTOP10に5件入る結果となりました。注目は、昨年4位から2位にランクアップした「りく」です。「陸」を始め、「凌久」「凌空」「理玖」と漢字のバリエーションも豊かで、「りく」とよむ漢字のバリエーションは昨年の62件から今年は77件になりました。女の子のよみランキングでは”2音ネーム“が多くTOP10にランクインしましたが、男の子のよみでも、”2音ネーム”の人気が高まっていることがわかります。
女の子の名前よみランキングTOP3は、1位「えま」、2位「みお」、3位「つむぎ」で、TOP3のすべてのよみが昨年からランクを上げた結果となりました。昨年7位から2位に順位を上げた「みお」は、近年女の子に人気の”レトロネーム“でもあります。「澪」を始め、今年はとくに「美桜」の順位がアップ。映画『東京リベンジャーズ』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』などの出演で話題を集めている女優の今田美桜さんの活躍の影響もあるかもしれません。「えま」「みお」を始め、女の子に人気のよみである「ゆい」「めい」が3位、4位に続いたほか、TOP10以外にも11位には「りお」が、12位には「さな」がランクイン。さらに「のあ」は昨年の39位から28位に大きく順位を上げました。1位の「えま」には海外の名前の要素も感じられることから、誰にでも親しみやすく、呼びやすい”2音ネーム“の需要が高まっているのかもしれません。
【漢字】1位は王道の「翔」「花」。男の子は大らかさ、女の子は五輪の影響も?自然の華やかさ&力強さをイメージできる漢字が人気
名前の漢字ランキングTOP10
男の子の名前に使用された漢字ランキングTOP3は、1位「翔」、2位「大」、3位「斗」でそれぞれが昨年同様の順位をキープ。どれも止め字に用いられることから、漢字ランキングからも“と止めネーム”の人気さがうかがえる結果となりました。大きく羽ばたくという意味がある「翔」に、大きく立派な様子を表す「大」、たくましさを感じられる「太」に、遥か遠く雄大なさまを表す「悠」など大らかさを感じさせる漢字が人気です。新規感染者が減っているとはいえ、まだ油断ならず窮屈さも感じるコロナ禍で、赤ちゃんはのびのびと大らかに育ってほしいという願いが込められ、これらの漢字がとくに用いられたのかもしれません。
女の子の名前に使用された漢字ランキングTOP3は、1位「花」、2位「結」、3位「愛」でした。昨年に引き続き、「花」「結」「莉」「菜」「咲」とTOP10には自然や植物が成長する過程をイメージさせる漢字がランクイン。今年は五輪の影響もあってか、かえでの木を意味する、中山楓奈選手の「楓」も昨年49位から今年は41位とランクを上げました。自然をイメージさせる漢字には、華やかさに加え、大地の力強さや生命力も感じられることができ、赤ちゃんの名づけでは王道です。
2021年生まれの赤ちゃんの名前調査では、「男の子らしさ」や「女の子らしさ」にとらわれない、性差を感じさせない“ジェンダーレスネーム”の人気が高まっていることが明らかになりました。社会的にジェンダーが注目されるなか、赤ちゃんにも性別にとらわれず、自分らしく成長してほしいというママ・パパの願いがうかがえる結果となりました。
そして、この夏活躍したメダリストの名前も増加傾向に。歴史に名を刻んだアスリートたちの名前をわが子にも、というママやパパがこれから増えるのではないかと注目です。
<調査概要>
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方
調査期間:2021年1月1日(金)~2021年10月1日(金)
調査件数:115,687件(男の子:58,739件/女の子:56,948件)