断られた受精卵の引っ越し
体外受精で授かった長女を出産。その数年後、夫の仕事で転勤となったため、私たち夫婦は受精卵を凍結保存しているクリニックに相談に行きました。私たちの希望としては転勤先のクリニックに受精卵を輸送し、そちらのクリニックで移植することでした。
しかし、クリニックの先生からの返答は、それはできないとのこと。クリニックには受精卵を輸送する入れ物がないため、対応できないそうなのです。
決められない2人目不妊治療の方法
受精卵の輸送を断られた私たち。次に考えた方法は2つです。1つ目は凍結している受精卵を破棄し、転勤先のクリニックで採卵すること。2つ目は転勤先から飛行機で現在のクリニックに通うことでした。
1つ目の方法は私としては避けたい方法でした。受精卵とはいえわが子だと私は思っていたので、破棄することは考えられなかったのです。それに以前採卵した際、連日自宅で自分のおなかに注射をして卵胞を育てたので、ワンオペで育児をしながらそれができる自信がありませんでした。
しかし、2つ目の方法は、夫は仕事が忙しく平日に休みを取ることはできず、両家の実家も遠いため、娘を預けて遠方のクリニックに通うことは現実的に難しいと考えました。
転勤先のクリニックからの提案
2人目の不妊治療の方法を決められないまま、私たちは引っ越すことに。自然妊娠できる可能性にかけて1年間過ごしたもののやはり妊娠することはできず、採卵の可能性も含めて転勤先のクリニックに相談することにしました。
そこで私たちは凍結胚(受精卵)の輸送をおこなっている会社の存在を教えてもらったのです。輸送に使用する入れ物を貸してくれるだけでなく、双方のクリニックとの輸送日程の調整をし、ハンドキャリーでその会社の方が凍結胚を輸送してくれるという内容でした。
受精卵を保管してもらっているクリニックにも確認したところ、入れ物の問題が解決できるため対応可能とのこと! これにより当初の希望通り受精卵も無事に転勤先に引っ越すことができました。
凍結胚の輸送をしている会社のお陰でやっと2人目の不妊治療をスタートできました。今回の凍結胚の輸送には15万円かかりました。不妊治療は体にも気持ちにもお財布にも負担が大きいです。しかし、遠くでずっと待ってくれていた受精卵を迎えられることを今は幸せに感じています。そして近い将来、第2子として生まれてきてくれることを心から願っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師REIKO
著者:小谷 かずえ
不妊治療を経て出産。現在3歳女児の母で元ウエディングプランナー。転勤族で九州在住し、ウエディング関係の記事や妊活に関する記事を執筆中。