フリマサイトにはまった夫
2人目を出産する前に家の中をスッキリさせようと始めたフリマサイト。そうしたことが得意な夫は、自分からわが家のフリマ担当として名乗りを上げてくれました。最初は私も夫と一緒になって、「目標金額までお金が貯まったら何を買おうか?」などと楽しく手伝っていました。しかし、すぐに雲行きが怪しくなってしまいました……。
というのも、夫がフリマサイトにのめり込むようになっていったのです。何かにハマると、とことんこだわる夫の性格もあってか、四六時中スマホを触っているような状態になってしまいました。
当たり前のように家のことは私
特に私が負担に思ったのは休日。それまでは夫が娘と2人で遊んでくることも多かったのですが、フリマサイトにハマった夫はとことんフリマに時間を使います。話しかけても「あと少し」と言って一向に動く気配がなく、仕方なく私は身重の体で娘を連れて2人だけで遊びに行くようになりました。
もちろん家事をすることもなく、部屋の隅でずっと出品するものの写真を撮ったり、スマホをいじったり。出かけたかと思ったら発送のための段ボールを買いに行っただけのこともありました。正直「そこまでしなくても」と思いましたが、家の不用品を処理してくれていることもあり、私も強く言えないでいました。
効いた娘の切実な言葉
ある日、決定的なことが起きました。わが家は暗黙の了解で、食事中にスマホは触りません。しかし、食事をしているときに夫がスマホをいじり始めたのです。画面をチラッとのぞいてみると、またフリマサイト。内心げんなりしながらも夫に注意しようとしたとき、「お父さん、ごはん中だよ」と娘が厳しい顔で夫に注意していました。
まるで私が言うような口調で注意する娘に驚いていると、「お父さん今全然遊んでくれないんだから、ごはんのときくらいわたしのほうを見てよね!」と口をとがらせていた娘。私はすかさず「お父さんと遊べなくなって寂しかった?」と聞くと、娘は急にポロポロ泣きながら「うん……」と私にしがみつきました。夫は娘の言葉に「しまった!」という顔をし、「ごめん! 本当にごめん!」と娘に謝っていました。
この言葉をキッカケに夫のフリマ熱は落ち着くことに。休日もいつも通り娘を連れてお出かけするようになりました。夫に聞くと、「のめり込み過ぎた。娘を泣かしてまでやることじゃなかった」と大いに反省しているようでした。
著者:山口花/女性・ライター。2017年生まれの女の子と、2021年生まれの男の子のママ。夫の地元で個性的な人たちに囲まれながら育児しつつ、教育系ライターとして活動中。
作画:きょこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています