幼稚園部のお迎えはママがいっぱい
預かり保育では各家庭の仕事の都合に合わせてお迎えへ行くので、みんなお迎え時間がバラバラです。なので私も長男も先生にあいさつをして、すぐに園を出ていました。しかし仕事のない日、午後2時にお迎えへ行くと、預かり保育に行かない何十人もの園児が一斉に園庭へ出てきます。
園庭に出てきた子どもたちは幼稚園が終わった開放感もあり、元気いっぱい。仲良しのお友だち同士で鬼ごっこをしたり、砂遊びをしたりしています。その間、ママ同士は円になって会話に花を咲かせるという状況でした。
ママたちの会話に入れない私
この時間にお迎えにくるママたちは、ほとんどが毎日顔を合わせているため、ものの貸し借りをしたり、「昨日の話だけど~」などと話したり、共通の話題がいっぱい。ところが、たまにしか会わない私は、あいさつする程度で会話には入れませんでした。
ほかにもひとりでいるママがいるときならまだいいのですが、私だけひとりだと心細く、幼稚園の先生やほかのママに「あの人だけ、ひとりぼっちと思われるかな」と不安になっていました。
無理やり帰宅させる
「早くこの状況から脱したい」といつも思っていた私。楽しく遊んでいる長男に「家でおやつ食べよう」と声をかけ、無理やり園から出るということが何度もありました。長男はまだお友だちが遊んでいる中で、自分は帰らなければいけないのが不満で大泣き。
家まで徒歩5分ほどの距離ですが、長男は「帰りたくない!」と大声で騒いでしまい、すれ違う人から冷たい視線を感じたこともありました。私がほかのママとうまく話せないこと、ひとりでいるのが嫌なことが理由で、長男に我慢させているなと思うと申し訳ない気持ちになりました。
帰宅後は好きなおやつを食べさせたり、公園に行ったりして長男の思いを少しでも聞いてあげられるように心がけましたが、無理やり帰宅させるのはストレスだったと思います。しかし、しばらくすると、仕事をする日が増え、毎日預かり保育を利用するようになりました。そのため幼稚園部のママと会うことはなく、息子だけ遊べないという状況はなくなりました。当時を振り返ると自分本位だったと胸が痛みますが、今はホッとしています。
著者:土田えり子/女性・自営業。2人の男児の母。元記者で、現在はフリーランスとして企業のリリース記事や、自身の子育て体験談などを執筆中。
作画:ライコミ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています