リハーサル直前にそれ言う?
娘が小学校低学年のころです。発表会直前のリハーサルの順番を舞台袖で待っていたとき、出番を終えた娘の同級生とそのママとすれ違いました。
「緊張するね」、「頑張ろうね」と子ども同士が小声で言葉を交わすなか、その同級生ママが娘に向かって「娘ちゃん昨年はミスっちゃったもんね」と言ったのです。それは事実で、1年前の発表会で娘は暗譜が飛び、演奏が止まってしまったのです。
「今年こそは」と密かに雪辱を誓う娘へのエールだったのかもしれませんが、何もわざわざ本人にいま言う必要ある? と驚いてしまいました。余計なひと言に娘もカチンときたようですが、本番では落ち着いて演奏できたので、成長を感じました。
本番終了直後にそれ言う?
思い返すと以前にもこの同級生ママには驚くことを言われました。発表会では生徒によるソロ演奏と、お友だちや家族、先生とする連弾演奏の2曲を披露するのが慣例でした。初参加の年、娘は「ママと連弾する」といって譲らず、私はピアノ歴も短いうえにブランクも長く、全然自信がないため、本音を言えば嫌でした。しかし娘の強い希望もあり、猛練習をして臨みました。
なんとか本番を終え、ほっとひと息ついて座席に戻ると同級生ママからひと言。「おじぎ揃ってなかったよ。ビデオで目立つよ」と……。技術的なことならまだしもおじぎのことなどを言われると思っていなかったので、ぽかんとしてしまったのを覚えています。
それなら自分でやればよいのでは?
同級生ママはピアノが弾けるらしいのですが、「自分は下手だから恥ずかしい」、「先生と連弾したほうが難易度の高い曲が演奏できるから良い」との理由で、一度もこのママ自身は出演されませんでした。それにもかかわらず、「先生と合わせる練習時間が少なかった」「先生が本番でミスタッチをした」と演奏の出来などに関しては非常に厳しいコメントを連発するのです。
同級生ママ自身は練習もせず、本番のプレッシャーも感じず、客席から文句ばかり言う姿勢にモヤッとして、「それならばママご自身がお弾きになれば?」とよほど言ってしまおうかと思いました。
娘が通うピアノ教室は、先生のお人柄か、生徒さんやご家族もとても穏やかで気持ちのよい方々ばかりです。だからこそ、この同級生ママの発言にはビックリさせられ、記憶に残ってしまうのかもしれません。あくまで習い事の主役は子どもたちであり、親はサポート役。先生はできる限りのことをしてくださっていると感じています。このことを常々心にとめておき、私も発言には気をつけようと思いました。
著者:川木みさ/女性・自営業。7歳差の1男1女を子育て中。英検1級、児童英語指導者TEYL取得。海外サイトの翻訳や子育て体験談の執筆活動中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています