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医療費控除の準備はできていますか??もらい損ねないための「所得税の還付申告」手続きについて教えます!

もうすぐ確定申告期間。ファイナンシャルプランナーの大野先生が、出産や医療に関する還付金手続きについて詳しく教えてくれました。もらい損ねないために、しっかりと確認しておきましょう!

この記事の監修者
監修者プロファイル

ファイナンシャルプランナー大野高志

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計 代表取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
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毎年2月16日から3月15日は確定申告期間ですが、還付申告は確定申告期間前でも手続きができます。出産や多額の医療費がかかった場合の医療費控除や、住宅を購入して1年目の住宅ローン控除など還付申告を受けようと準備されている方もいらっしゃると思います。確定申告期間は混雑している確定申告会場も多く、新型コロナウイルスの感染予防の観点から入場整理券が必要となりました。

そこで今回は、どのような人が確定申告期間前後でも還付申告の手続きができるかなどをお伝えして参ります。

 

1.還付申告できる主な内容

会社員、公務員、医療・教育従事者などの給料を受け取っている方は、正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト等の雇用形態にかかわらずその他の収入がない限り「給与所得者」と税法上は分類されますが、年末調整で所得税・住民税の手続きは完了し、確定申告をする必要はありません。

しかし、給与所得者も年末調整で対象とならない医療費控除(原則、年間医療費が世帯で10万円を超えた場合に適用)や雑損控除(災害や盗難・横領等の損害がある場合に適用)の申請や住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)を初めて申請する場合は、確定申告による還付手続き(以下、還付申告)が必要となります。

また、年末調整で手続きから漏れた扶養控除や生命保険料控除等の追加、年末調整をしないで退職した場合の精算なども還付申告の手続きで所得税の還付・住民税の減額ができます。

 

2.出産に関わる医療費も控除の対象になります

世帯で1年間10万円(所得が年間200万円以下の場合は所得の5%)を超える医療費を支払った場合には、医療費控除の適用が受けられ、給与所得者は還付の対象になりますが、病気やけがの通院・入院・手術だけでなく、出産関連費用も対象になるものがあります。

一例として、分娩費用、通院のための電車代・バス代、不妊症の治療費・人工授精の費用、妊婦の定期健診や出産後の検診費用等は対象になりますが、無痛分娩講座の受講費用、診断書作成費用、差額ベッド代(一定の場合を除く)、マイカー通院のためのガソリン代、駐車場代等は対象になりません。また、健康保険から支給される出産育児一時金は補填される金額として医療費の支払総額から差し引く形となります。

 

3.還付申告の提出期間は5年間あります

確定申告期間は毎年2月16日~3月15日の1か月ですが、この期間は自営業者や副業等の収入源が複数ある人などの納税をする人の期間です。給与所得者の還付申告の場合は、確定申告の期間と関係なく、該当する事項のあった年の翌年1月1日から5年間となります。

例えば、2021年1月1日~12月31日の間に医療費が10万円以上掛かった場合や年末調整で手続きした以外の所得税の還付の手続きをする場合は、2022年1月1日~2026年12月31日までが提出期間となります。そのため、還付申告の場合には、納税する人の申告期間である2月16日~3月15日を避けて、申告することも可能です。出産直後や体調不良、お仕事の繁忙期などで確定申告会場に行くことが難しい場合は、落ち着いた時期に還付申告の手続きをすることができます。

注意点としては、一部のエリアにおいて、期間限定で開設される市民ホールなどの税務署以外の確定申告会場ではなく、税務署での手続きが必要なこと、還付される期間は手続き完了後1か月前後かかるため、手続きが遅くなれば還付されるまでの時間もかかることです。そのため、還付金が早く必要な場合には早めの申告をお勧めします。

 

4.給与所得者の還付申告であっても確定申告期限を守る必要がある場合も

給与所得者の還付申告できる期間は上記でご説明したように5年間ありますが、手続きする内容によっては確定申告期間である2月16日~3月15日の間に申告する必要な場合があります。

主なものは、以下の2点です。

 

①給与以外に副業や歩合等での収入があり、青色申告している場合

青色申告は個人事業主やフリーランスの方等が税務署に申請し、正規の簿記による帳簿を備えることにより最大で65万円の控除が受けられる制度ですが、毎年3月15日までの申告期限内に申告することが要件です。そのため、青色申告で手続きする人は還付申告であっても、期限内の申告をしましょう。

 

②給与以外に保険の満期金等や不動産の売却等の臨時の所得や副業等の金額が大きく、納税する場合

給与所得者は年末調整で手続きが完了するのは、他の所得がなく確定申告の必要がないためです。しかし、メインの収入が給与でも他の所得がある場合には、確定申告が必要なケースがほとんどです。還付されるつもりで医療費控除を申告しても、不動産の売却や保険の満期金、50万円を超える高額の懸賞金等、20万円以上の副業等がある場合は、納税となる場合があります。例えば、年間の医療費が12万円かかったので、医療費控除の還付を受けようと思っている人が、給与以外に25万円の副業があった場合には、医療費控除の適用を受けても納税となる可能性があります。このような方も期限内の申告をお勧めします。

 

 

納税か還付か判断できない場合や確定申告の手続きで確認したいことのある場合には、税務署への電話相談や簡単な質問であれば国税庁のチャットボットで確認をすることをお勧めします。また、慣れている方であれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーからご自身で確定申告書を作成して郵送することや、マイナンバーカードを持っている方はスマートフォンやパソコンから申請することが可能です。いずれにしてもご自身の状況に合わせた期間内に確定申告・還付申告を行っていただき、納税が必要な分はしっかり納税しつつ、還付される税金はしっかり還付を受けられるようにしましょう。

 

 

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