車好きの長男の遊び方
長男は車のおもちゃが好きなのですが、その背景には実車が好きで、その延長線としてミニカーが好きといった傾向があります。そのためミニカーで遊ぶ際は実際の道路を走る車を模して手で走らせたり、信号待ちで渋滞の車列を再現したりして遊びます。
しかし長男は、私が一緒に遊んでいるときにミニカーを触ったり動かしたりすると怒り、一緒に遊ぶというより私が隣で見ているのを好んでいるようでした。なかなか一緒にミニカーで遊ぶのは大変でした。
車で遊ぶことからの逃げ
私も長男と遊びたい思いはあったのですが、私が触ったり動かしたりすると怒るので、うまい付き合い方がわからず困ってしまいました。次第に私は「パパ! 車で遊ぼう!」と言われても、なにかしらの理由をつけて避けるように……。
しばらくその対応をしていくうちに、長男も私が車で遊ぶことだけを避けていることに勘づいたのか、車で遊ぼうと言ってこなくなり、私は正直ホッとしていました。
長男の心の声
しばらくして、欲しがっていたミニカーを買ってあげた日、いつものように長男はひとりで新しいミニカーと古いミニカー数個で遊んでいました。しかし長男の顔はどこか浮かない表情をしていました。具合が悪いのかなと思い「どうしたの?」と聞くと、とても小さな声を絞り出し「ちょっぴりだけ一緒に車で遊ぼ……」と私に言ってきたのです。
私はそのひと言で長男が、ほんとはパパと遊びたいのにどうして遊んでくれないんだろう……と思っているんだと直感しました。
相手の気持ちも理解する
長男の気持ちに気づいた私は、「一緒に遊びたいけれど見ているだけだったり、車を動かしたら怒ったりするからパパは遊びたくない」とはっきり言いました。私だけでなく、友だちと遊ぶときでも一方通行な遊び方では長男のためにならないと思ったからです。
妻は「まだそんなこと言っても理解できないよ」と言いましたが、私は長男に相手の気持ちも考えて行動してほしいと思ったので言いました。すると長男は何も言わず私にミニカーを差し出してくれたのです。そしてそのミニカーで、「ここを走らせて」と指示を出してくれました。
子どもの遊びから逃げてしまっていた私ですが、遊びの中でも教えられることはあるんだと気づかされました。嫌なことは嫌とはっきり言うこと、相手の気持ちを考えて楽しく遊ぶことを学んでほしいと願い、今は長男と時折り喧嘩もしつつ、楽しくミニカーで遊んでいます。
著者:佐藤 稜
7歳と3歳の2児の父。サラリーマンとして働きながら副業としてライターを目指す他にブログ記事も執筆中。