治療をスタートする前に悩みながらも選択する
抗がん剤治療のスケジュールが正式決定する前に決めなければいけないことがいくつかありました。
1つは、病院と担当医について。
私の地元は田舎のため、そもそも病院数が少ないのですが、とはいえ選択肢がないわけでもなく……。
今通っている、妹の家が近いA病院が良いのか、少し足を伸ばして大規模な病院にしたほうが良いのか迷いました。
そこで、病院の支援センターに電話相談したりして、ひとまずそのままA病院にお世話になることに。
抗がん剤治療が始まると、副作用が重めに出てしまい車移動でもしんどかったため、そういう面では近くの病院にしてよかったです。
そして妊孕性について。
治療により、卵巣機能(妊孕性)が低下する可能性があり、妊孕性保持の方法として、治療開始前に未受精卵子や受精卵を凍結保存する選択肢があります。
40歳独身の私が卵子を凍結保存したとしても、それを用いるのは、ホルモン剤の服用が終わる10年後。
子どもは好きだけれど、産みたい願望は持っていないし独身だし……。でも、「本当にそれで良い? 後悔しない?」ひと通り悩んだ結果、私はその場で「凍結保存はしません」と医師に告げました。
これは、あくまで私個人の考え方に基づく選択です。
妊孕性について、実際はとてもデリケートな問題で、どのような選択をするにしろ、すぐに思い切れることではないと思います。
ただでさえ「がん」のショックで頭がいっぱいいっぱいのときなのですから……。
今回、妊孕性温存療法の話題に触れるにあたって、自分の知識を再確認しようと資料を見ていたら、自治体によって補助金制度があることを知りました。
主にはAYA世代と呼ばれる、若い世代のがん患者が対象のようです。
こういう制度はもっと広く知られたら良いな、と思っています。
次回は、がんを全摘するか、部分切除するかを考えたときについてお話しします。
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