思い返せば幼少期、母はいつも私のことを近所の人たちに対して「出来が悪い子」だと、なぜか自慢げに語っていた。それを隣で耳にするたび、小さい心は傷ついていた。
すり減り続ける自尊心……
そして、高校生になったとき、クラスの中心的存在の男の子に告白をされた。
「僕と帰ってこない妻」第149話
思わぬ告白……純粋に嬉しかった。
でも、その告白は「好きだ」とか「一緒にいたい」とか、そんな純粋な気持ちじゃないと知ってしまった。
「私なんか……」
子どものときから、ずっとそう。
どんどん自分のことが、嫌いになっていく……。