親子の会話、突如鳴るゴング
義家族はとても仲良しで、お互いの距離感が絶妙。それでいて、心の中の踏み込まれたくない領域には決して入ってこない夫と義両親に、私自身とても安心して生活できています。
ただ、義両親は70代。30代の私たち夫婦とは、どうしたって話が噛み合わないことがあります。寡黙な義父とは対照的に、おしゃべり好きな義母がたまに放つすっとんきょうな暴論が、夫のモヤモヤポイントに引っかかれば最後、理論武装した夫による義母への攻撃が始まってしまうのです。
義母に悪気はないけれど
というのも、義母は会話の最中に、相手の言葉を間違って捉えて「ああ、そういうことね」と途中で自己完結してしまうんです。まだ相手の話が終わっていないうちに、義母の誤解釈を前提とした返事が返ってきてしまう。どうやら夫は、義母のこの早とちり癖がどうも苦手なようなのです。
「だからそうじゃなくて……」と改めて説明をし直す夫の口調からは、イライラがこぼれてきます。息子の怒りを感じとった義母はさらに困惑。焦ってポロポロととんちんかんなワードを並べる。すると夫は「一回ちゃんと聞いてよ!」と強い口調で義母を制するんです。
生きていくうえで大事な金言を得る
夫のどなり声で完全に凹んで黙ってしまう義母の姿も見ていられないし、こうなると私はたじたじで……。同居当初は、度々起こる母と息子の言い合いにあたふたして、両者の機嫌をうかがってしまう自分にも嫌気がさしていました。
しかし、私と同じく2人の間に挟まれる立場であるはずの義父のひと言で私はスッとラクになったのです。それは、「他人の問題はこちらには関係ないんだよ」というもの。怒りの気持ちはその人のものであって、他人が鎮めてやる必要はないんだと言われて目から鱗が落ちたようでした。
それからは、夫と義母がやりあっていても「この場をおさめなきゃ」と焦ることはなくなって、静観していられるようになりました。
義父のスタンスを学び、家庭内だけでなくさまざまな状況で自分の立ち位置が明確になり、大げさでなく本当に生きるのがラクになりました。義母に甘えて声を荒らげる夫もまた自由、私も義父も、間を取り持つ義理はありません。良い感じの距離感で、これからもうまいことやっていきたいと思います。
著者/つちやです
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