人を褒めることを知らない私の家族
私の家族は、お互いを褒めたり、認めたりする会話をほとんどしません。テレビ番組を見ては文句を言い、お互いの知らないところで愚痴をこぼす光景を、小さいころから目の当たりにしてきました。
表面上はうまくやっているように見えても、中身は”ギスギスしている”という言葉が相応しく、私自身「家族って何なのだろう」という思いに駆られながら生きてきました。
夫からのプロポーズを受け入れた際も、家族になることへの不安は拭えず、何十年後かの未来を想っては怖くなりました。何とかして”家族”に明るいイメージを持ちたいと、悶々としていた矢先、義実家へ初訪問することになったのです。
人を受け入れるやさしさがあった義実家
義実家に行くには7時間かかります。そのため、以前顔合わせをした際は、私たちの住んでいるところまで、わざわざ出向いてくれました。しかし、結婚して一度も行かないのはさすがにまずいだろうと思い、一泊二日でお邪魔させてもらうことになったのです。
長旅を経て、義実家の最寄駅に着くと、義両親が手を振ってお出迎え。家に向かう前に観光スポットを回ってくれて、私の気持ちを和ませてくれました。
その後、義実家に到着し、すぐに夕飯の準備を手伝うことに。食材を切りながら、義母は「お義母さんだとよそよそしいから、Sちゃんと呼んで?」と言ってくれたり、仕事を辞めたばかりの私に「無理して働かなくていいんだよ。〇〇(夫)に頼りな?」と言ってくれたり……。自分の家族からは言われた経験のないやさしい言葉を次々にかけてもらいました。
夕飯の時間には、夫の小さいころのビデオを鑑賞。みんなで笑いながら、お酒を飲む時間が幸せでなりませんでした。あまりに楽しくてお酒を飲みすぎ、こたつで爆睡してしまった私のことも、義両親は笑って受け入れてくれました。
親戚のやさしさにも感動
翌日は駅への送迎ついでに、親戚の家にもお邪魔することに。義実家同様、よそよそしい感じはなく、いろいろなお菓子を食べながら、思い出話を楽しく聞かせてもらいました。
帰路につくとき、こんな素敵な家族への仲間入りができたことがうれしくて、思わず涙が溢れました。私の中の家族に対するネガティブなイメージは、以前よりもぐんと和らぎ、笑顔の絶えない家庭を作りたいという思いでいっぱいでした。
私にとって義実家との出会いは、プロポーズよりも衝撃的な出来事だったかもしれません。義実家と関わるたびに、家族について悩んでいた気持ちが嘘のように晴れ、前向きな気持ちにさせてもらえます。
この先、自分の実家を見捨てようとは決して思いませんが、心を開ききれない分、義実家に甘えて、もっともっと大切にしてもらおうと思います。そして、自分もいつか子どもをもち、子どもの心の拠り所となるような、やさしい家庭をつくりたいです。
著者/ずんこ
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