便意が来て、分娩室からトイレへ……
分娩室に入り、おなかの痛みに耐えながらいきみ逃しをしていました。子宮口が7cmになり、さらにおなかの痛みも増してきます。いよいよ出産! と思った矢先に便意が。
助産師さんに伝えると、内診をしたあとトイレに行くことをすすめられました。心の中では、「こんな状況でもトイレに行かないといけないのか」と不安でした。それでも我慢できそうにないので、トイレに行くことを決断。呼吸を整え、おなかの痛みに耐えながらふらふらとトイレへ行きました。
トイレに座ったまま動けない
用を足したのはいいものの、トイレに座っている間にも陣痛の間隔が短くなってきました。そのため、おなかの痛みが便意なのか、陣痛の痛みなのかわからなくなってきてしまいました。便意だろうとトイレに座っていましたが、もう何も出ません。しばらくして、助産師さんが心配になって声をかけてくれたのですが、トイレに座ったままなんと20分くらい経っていたのです。
陣痛の痛みで動けなくなっていたため、その様子を見た助産師さんが、慌てて分娩台まで連れて行ってくれました。そして分娩台に座ると、子宮口は全開大になっていました!
出産と同時にまさかの……!
子宮口が全開大になっていたので、助産師さんと先生が来てくれました。いきみ逃しも終わり、ようやく思いっきりいきんでもいい状態に! 私はうれしくなり思いっきりいきみ、無事に赤ちゃんに会えました!
しばらくして育児にも慣れてきたころ、出産に付き添ってくれた母から聞いたのですが、出産のときに赤ちゃんと同時にうんちが出ていたようです。ただ、今となってはその話を「恥ずかしい」というより、「仕方がないよね」という気持ちで聞くことができました。出産の痛みに耐えたことや、赤ちゃんに会えた喜びのほうが上回っていたのです。
実際に出産直前に便意が来ると、とても焦ってしまいました。トイレに行って動けなくなったとき、声をかけてくれた助産師さんには本当に感謝しています。うんちが出産と同時に出て恥ずかしい気持ちもありましたが、陣痛を乗り越え、赤ちゃんが誕生した感動のほうが大きかったので、今では仕方がないことだと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:北川さくら
2018年生まれの5歳の男の子、2019年生まれの4歳双子の女の子を子育て中のママ。幼稚園を2年、認定こども園を2年の勤務経験あり。自身の経験をもとに妊娠、出産、育児の体験談を執筆している。