マイペースな義母との暮らし
退院後は赤ちゃんのリズムに合わせる生活のため、明け方にやっと寝られるということもありましたし、授乳して服がめくれたままソファで寝てしまうこともありました。わが家と義実家は、完全分離型の二世帯住宅ですが、両家を行き来できるドアで繋がっています。そのため、私たちの生活スタイルにはお構いなしに自分のペースでわが家にやってくる義母。
勝手にカーテンや窓を開けたり、室内干しの洗濯物を外に出したり……。ありがたいと思いつつも、夕方に開いたカーテンや窓を探して閉める手間、天気や時間を見ながら取り込む洗濯物、足音が聞こえると勝手にドアを開けられるのではという恐怖など、心休まらない日々。小さな物音でも起きてしまう敏感な時期だったこともあり、私の家なのに落ち着ける場所ではないように感じていきました。
期待とは裏腹に何もできない義母
そんな生活が10日ほど続いたある日。孫とのふれあいの場を設けようと思い、義母に沐浴のお手伝いをしてほしいと頼みました。義母は快く引き受けてくれたので、お湯張り中のお湯に入れた温度計が38度であるかを見てもらうようお願いし、私はその間に子どもの準備をして連れて行きました。
温度を確認しようと肘を入れると、いつもより熱い! 熱いことに驚きながらも子どもを片手に抱き調整していると、義母は「温度計の数字が見えなかった」と言いました。沐浴中も、義母はせっけんやタオルを用意するなどのサポートをしてくれることはなく、ただただ「かわいいわねぇ」と眺めているのみで、最後まで手伝ってもらえませんでした。
頼りたくても頼れない日々に限界が…
乳児湿疹で悩んでいた生後0カ月のとき、近くに良い病院があるか義母に尋ねましたが、わからないとのことだったので、とりあえずネットで探した一番近くの皮膚科へ。後日、義母に湿疹が治まらない話をすると、「あそこの病院の薬は効かないの」「なんであそこの病院に行ったのかと思った」と言われ、「じゃあ最初からダメな病院は教えてくれ……」と思ってしまいました。
他にも、義母にサポートしてもらおうと夜泣きがつらいと話をしても、日課の晩酌は欠かさないので夜中の一番つらい時間に見ていてもらうことができない、日中はいつもお出かけしているのでいざというときに頼れない、おむつ替えも覚えようとしないので預けるのは不安、などモヤモヤする点が多々……。私が期待しすぎてしまったのかもしれませんが、裏切られたような残念な気持ちになり、心も体も限界に近づいていきました。
夫にも助けを求めましたが、「仕事が忙しい」や「わからない・できない」ばかりで頼りにならず。1カ月健診まではなんとかワンオペで頑張り、このままの状態では私が限界を超えてしまいそうだったので、1カ月健診後すぐに実家に里帰りしました。実家では両親が子どもの対応はもちろん、私を休ませようと気づかってくれて、安心感から涙が出てきました。夫や義父母の寂しいという言葉は無視して早く帰ればよかったと思いましたし、産後1カ月間のつらさは今でも忘れられません。
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著者:斎藤なおみ
4歳のひとりっ子園児の母。知人のいない夫の地元で、義実家と敷地内同居をしながら子育てに励む。好きな言葉は「大丈夫」「しょうがない」。