新居の畳で破水!?
妊娠38週5日を迎えた午後。ちょうど2週間前、新居に引っ越したところだったので、やっと落ち着いて暮らせるようになった矢先でした。この日、「胎動もあるし、初産だから、出産はもうちょい先かな〜」などと考えながら、和室でゴロゴロしていました。
しかし突然、体から「バシャッ」と大量に水が出る感覚があり、血の気が引きました。「破水した! 大変!!」と思い、慌てて産院へ向かう準備をしているところで、気がつきました。破水で、畳がびしょびしょになってしまったのです……。
お産がなかなか進まず
いよいよわが子に会えるワクワク感と、新居の畳が汚れてしまった悲しみが混ざり合い、何となく複雑な気持ちで診察台に上がりましたが、子宮口がほとんど開いていませんでした。しかも、翌日になっても陣痛の間隔が狭くならず……。
そこで、陣痛促進剤でお産を進めることになりましたが、そこから地獄のような時間が始まりました。
このままでは赤ちゃんが産めない?
前日の比ではない痛みが、ひっきりなしに襲ってきます。あまりの痛さに叫び声が止まりませんでした。それでも薬のおかげでお産はどんどん進み、ついに「いきんで!」と助産師さんからの声がかかりました。
「やっとラクになれる……!」。痛みから逃れたい一心で必死に力を込めましたが、なかなか状況は変わりません。助産師さんたちが首をひねりながら内診すると、その表情が変わりました。なんと赤ちゃんの曲げた腕が引っかかっており、このままでは産めないことがわかったのです。
急きょ帝王切開で出産することに
急きょ帝王切開となり、私は手術室へと運ばれました。突然の展開にとても驚きましたが、「子どもに会うためだ」と腹をくくりました。通常、帝王切開の場合は下半身のみに麻酔が使われ、母親の意識のある状態でお産が進んでいきます。もちろん私もその予定だったのですが、麻酔がまったく効きません。仕方なく全身麻酔へと切り替えられ、私は眠ったまま、子どもを出産したのでした。
トラブル続きのお産でしたが、子どもは元気いっぱいですくすくと成長しています。一方で私は帝王切開で出産したため、1年間の避妊と、次回も必ず帝王切開で出産することを医師から言い渡されました。「出産は何が起こるかわからない」、「お産は命がけ」。まさにその通りだと身をもって感じた出産体験でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:坂本ゆう/女性・主婦。約3年の不妊治療を経て、令和4年に男の子を出産。「人と比べず、マイペースに!」をモットーに、初めての育児に日々奮闘中。
イラスト:てる子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています