ママ友ではないママとの距離感
子育て支援センターで出会った、ママ友ではないけれど顔見知りのママと、1歳の息子Aくん。人懐っこい子だったので、いつもすぐお友だちの近くに寄っていき、ちょっかいをかけていました。私の息子と仲良く遊べたらよかったのですが、自分が使っているおもちゃを人に貸してあげたり、ひとつのおもちゃを一緒に使ったりすることが年齢的にもなかなか難しい息子。
Aくんにちょっかいをかけられた息子が泣いて終わる、というのが定番になっていました。Aくんのママはあまり他のママたちと話し込んでいる様子もなく、いつもAくんの後を付いて回っている印象でした。私とそのAくんのママとは、会ったらあいさつをする程度の仲。笑顔もあまり見せない方なので、ちょっと避けてしまっている自分がおり、仲が深まることはありませんでした。
ショック! 息子の髪の毛を……
Aくんはどうやら同じ1歳後半の息子の髪の毛が気になる様子。息子の髪の毛を触りだしたと思ったら、次の瞬間ものすごい勢いで髪の毛を5、6本一気に引っこ抜いたのです。当然息子は痛くてギャン泣き。髪の毛を引っ張るというのは子ども同士ではよくあることだと思うのですが、そのママはAくんに「引っ張らないよ」と言うだけ。
子どもがしたことだから仕方ないと思ったのか、息子に対しての謝罪がまったくなかったのです。Aくんはその後も何もなかったかのように、泣いている息子をよそにおもちゃで遊んでいました。私はこの状況にモヤモヤが止まりませんでした。
先生がいなかったら謝罪なしだった!?
運よく、離れたところからその様子を先生が見てくれていました。Aくんもママも謝る様子がなかったからか、しばらくすると先生が近づいてきて「大丈夫? 痛かったね」と息子に声をかけてくれました。「Aくん、お友だちの髪の毛は引っ張らないよ。一緒にごめんねって言おうか」とAくんをやさしく諭す先生。
それを聞いたAくんママは「Aくん、ごめんねは? 」と発言。やっと、泣きじゃくる息子に謝罪の言葉をかけてくれました。先生が来てくれなかったら、ずっと謝罪はされないままだったのか……と悪い想像もしてしまい、また私はモヤモヤしてしまいました。
私がAくんのママの立場だったら、言葉が話せないわが子の代わりに、相手の子どもとその親御さんにすぐさま謝罪をしていたと思います。考え方は人それぞれですが、人に痛い思いをさせてしまったとき、わが子には自ら「ごめんなさい」を言える子になってほしい、と心から思った出来事でした。
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著者:鬼頭いちか
5歳と2歳の男の子の母。パワフルな義両親と敷地内同居中。貿易関連の資格を多数保有。
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