周りも悩んでいた妊活
私は、2019年に29歳で結婚しました。ちょうど周りの友だちも同じくらいのタイミングで結婚し、どんどん家庭に入っていきました。気がつけば、自然と話は妊活のことばかり。「子ども欲しいんだけど、自然にはなかなか……」「旦那の出張が多くて、タイミングが合わない」。そう話す友だちに、私は「悩んでいるのは、私だけじゃない」「みんな、子どもが欲しくてもなかなか授からないんだ」と安心していました。
周りより早く治療を始め…
結婚前から子宮腺筋症やPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の疾患があり、自分は妊娠しにくいとわかっていたため、入籍とほぼ同時期に病院に行き始めました。まだ友だちは、自己流のタイミング法にチャレンジしていたころ。私は、誰よりも早く医療機関での治療を進めていたので、最初は「悩んでいるなら病院に行ったほうがいいよ」などとアドバイスをするくらいの余裕があり、「病院にかかるのが早かったんだから、きっと周りに置いていかれることはないだろう……」と思っていました。
不妊治療がうまくいかず、周りは妊娠していき…
しかし、なかなか治療はうまくいかず、タイミング法から人工受精、顕微授精へとどんどんステップアップすることになっていきました。その間に「置いていかれないだろう」と思っていた友だちからどんどん妊娠の報告が。「おめでとう!子どもに会えるの楽しみだね!」と明るく返信しながらも、私は毎回号泣していました。「なんで私はできないの?」「みんなより早く始めたのに、どうして?」と。
また、それと同時に大好きだったはずの友だちの妊娠を心から喜べない自分が、本当に嫌になりました。「こんなふうに友だちの妊娠を喜べないから、授かれないんだ」と、自分で自分をどんどん追い込んでしまいました。他にもテレビやSNSでの妊娠報告、道行く妊婦さんや子どもがいる家族を見て、泣いたりうらやんだり……。そのたびに私は、「なんて嫌な人間なんだ」と自分を責めていました。
その後、約3年の不妊治療を経て子どもを授かることができましたが、不妊治療中の私は、自分が欲しいものを持っている人をうらやましく思ったり、ちょっぴり妬ましく感じたりしていました。私は、治療中は冷静になれず、ふとした瞬間に精神的に追い込まれてしまうことがあるのだと、身をもって知りました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 REIKO
著者:坂本ゆう
約3年の不妊治療を経て、2022年に男の子を出産したママ。「人と比べず、マイペースに!」をモットーに、初めての育児に日々奮闘中。