沈黙の1カ月
報告を受けてからの1カ月は、びっくりするくらい普段通りの生活を送っていた僕たち。休日には変わらずにデートをしましたが、デート中も海外の話は出ず、普段通りの会話ばかり……。
今思えば、今後どうするのかお互いに探り探りで言えない、という状態だったのだと思います。僕自身、彼女との将来を考えていなかったわけではありません。しかし、彼女から「海外へ行く」と聞いて、「彼氏」として見送るのか「夫」として見送るのか、このときはどっちが正解なのかの答えが出せずにいたのです。
決断と即行動
そんな中、お互いに痺れを切らしたのか同じタイミングで「今後、どうしようか」と2人の将来について切り出したときがありました。よくよく聞くと、彼女としては僕も一緒に海外へ行くという選択肢もあったよう。そんな彼女の思いを知ったとき、「そこまで、僕との先のことを考えてくれていたのか」と驚いてしまいました。
そして、彼女のその思いを知った瞬間に、僕は決意したのです。「彼女と結婚しよう」と。
「彼女と結婚する」と決めてからは、怒涛のように日々が過ぎていきました。彼女にプロポーズをし、彼女が受け止めてくれたことを皮切りに、両親への挨拶、出国前に買っておこうと結婚指輪を探しに銀座を散策……。
「結婚する」と決めてからの展開が早く、親や友人からはかなり驚かれました。人生で一番怒涛の2週間だったと思います。
お見送りしてから現在は…
それから彼女の出国の日まではあっという間でした。まさに光陰矢の如し。
このとき、僕は日本にいることになっていたため、出国当日は空港まで見送りに行く予定でした。しかし、フライトの延期があったり彼女の仕事の都合があったりで、当日は空港まで行けず、空港に行く途中の地下鉄のホームで別れることに。見送りの時間は短く、またたく間に彼女は去ってしまい……。見送る際は、普段通りの僕でいられたのですが、その後、車に戻ると僕は涙を堪えるのに必死でした。
こうして彼女が出国してから、もう9カ月程が経とうとしています。ほとんど毎日ビデオ通話をして今日あったことなどを共有し合っています。元気に頑張っているようで安心です。
そして現在、僕は彼女の元に出発する準備を着々と進めているところです。
出会ったころから海外志向の強かった彼女。そのため、いつかは海外に行くと言うだろうと思っていましたがいざ、そのときがくると困惑してしまいました。そして、今思えば優柔不断な僕にとっての、結婚を決意させるタイミングだったのかもしれません。「結婚はタイミング」と言いますが、まさにその通りだと心の底から感じました。
これから、妻との2人の生活がスタートします。僕にとって、海外の生活はイバラノミチ。でもそんな選択すらも楽しいのでは、と思わせてくれる妻には感謝しかありません。
著者/大田レン
作画/おんたま
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