こんにちは。助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。晩婚化や女性の社会進出から、高齢での妊娠・出産もめずらしくなくなりました。今日は高齢出産の母乳育児についてお話しします。
40代は母乳が出ない?
「高齢出産は母乳が出ない」と信じ切って、最初から母乳育児を諦めようとする40代のママがいます。でも私の経験上、40代だと母乳育児が難しいということは、感じたことがありません。母乳は年齢関係なく、赤ちゃんに吸わせれば吸わせるほど出るようになると感じています。
母乳育児率が低い理由とは?
妊娠を継続でき、無事に出産できたということは、そのあとにつながる母乳育児もやっていける体だということ。「高齢出産は母乳保育達成率が低い」という風潮は、高齢ママは仕事をされてきた人が多く、職場復帰することが多いために、やむなく粉ミルク率が高いのが要因のひとつになっている気がします。
ほかにも、母乳育児の立ち上がりが悪くなりやすい条件として、年齢が上がるとともに帝王切開率が高くなることが挙げられると思います。産院にもよりますが、帝王切開の場合に母乳より先にミルクを与えてしまい、赤ちゃんがおっぱいの吸い方と哺乳瓶の吸い方の違いを混同、うまく母乳を飲めなくなってしまうことがあります。
そして個人差はあるけれど、肩こりや冷え性など、基礎代謝が落ち、血行が悪くなって、若いころに比べると体の不調が出てきやすくなるのが40代です。体力は明らかに20代より落ちてくるので、頻回授乳が体力的にキツいというようなことが母乳分泌に影響する要因にはなるかもしれません。
40代でも母乳育児はできる!
このように、高齢出産は母乳に影響がないわけではないかもしれませんが、適切な支援があれば母乳育児は可能です。
乳腺組織は加齢に伴うホルモンバランスの変化で、30歳代後半からはじょじょに退縮していきますが、だからといって母乳育児ができないわけではありません。それは閉経に向けた、とってもゆるやかな変化です。
高齢出産ママにはメリットも
人にもよりますが、若いママはあまり深く考えずにその場の状況だけで、「もう無理〜!」「もうしんど〜い!」ということも多いかもしれませんが、人生経験を積んだ高齢出産ママは理性と知性と忍耐と妥協、さまざまな環境に適応する能力に長けています。
40代ママ、体力がないなら知性で補おうではありませんか! それで母乳育児はじゅうぶんやっていけますよ。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。