寝かしつけ後の時間がだんだん憂うつに
どうしてもセックスをしたくない私は、夫が布団に潜り込んでくるたび、寝たふりや、体を固くして「したくない」アピールをして、その場を切り抜けていました。ですが、しょんぼり自分の布団に戻っていく夫を見ていると、なんだか申し訳ない気持ちに。
夫をずっと我慢させるのも申し訳ないなと思い、ちょっとエッチな漫画を読んで気分を高めようと試みましたが、まったくと言っていいほど何も感じません。私はだんだん長女を寝かしつけたあとの時間を憂うつに感じるようになり、「また今日も求められたらどうやってかわそうか……」と、しなくてすむ方法を考える毎日でした。
夫が放った言葉に心がチクリ…
求められては遠回しに拒否アピールする日々が数カ月続いたある日、ついに夫が「俺のこと嫌いになったの?」と悲しそうに言ってきました。夫をそんな気持ちにさせてしまったことを申し訳なく思いましたが、私の体は拒否反応を起こしたまま。
私は2人目が欲しいと考えていましたが、どうしてもセックスしたいという気持ちになりません。そんな自分に悩み、人に相談したり、調べたりしていくうちに「産後はホルモンの影響で一時的に性欲が減退する人が一定数いる」ということを知りました。
自分の状態をしっかり伝えるべきだった
産後の私は余裕がなく、「言わなくても察してよ」と思うばかりで、夫に自分の状況を伝えることをしていませんでした。考えてみれば、出産によって体質が変化するということは、私自身が実際に出産したからこそわかったことで、出産するまでは体が夫を拒否するなんて思いもしませんでした。
その後、夫に「決して嫌いになったわけではないこと」「産後のホルモン変化の影響で性欲が減退する場合があること」「産後1年経っても体の調子が戻らない人もいること」を伝えました。夫のほうも「妻に嫌われてしまったのかと思って寂しかった」とのことで、自分が原因ではないことがわかり安心したようでした。
長女の卒乳のタイミング、産後1年半ごろからセックスに対する嫌悪感もだんだんと薄れてきて、自然にスキンシップを取れるように。その後しばらくして2人目を授かることができました。あのまま遠回しに拒否を続けていたら、夫婦関係がギクシャクしたまま、2人目を授かることもなかったかもしれません。きちんと自分の状態を伝えたうえで話し合うことができてよかったと思います。
著者:南星 花
3歳と0歳の姉妹と、発達障害の夫、13歳の猫と暮らす。妊娠中に夫の失業、切迫早産、胎児発育不全など、さまざまなトラブルを体験。IT業界で働くワーキングマザー。